通販型自動車保険

 

バイアスのかかった意見を記したくないので実際に経験したことを。

2月下旬、L275Vを運転中に貰い事故にあった。

先日示談になり終結したのだが、相手保険会社の対応が過去経験したことがないほど酷く大変ストレスが溜まった。

単純な被害事故の解決に2ヶ月間も要したこと自体問題である。

僕が駄々こねたから?

いいえ。

保険会社の提示条件をそのまま飲んでいたら車は修理できずに泣き寝入りする羽目になったからできる限りの抵抗をしただけだ。

事故の状況は、

いつも利用するスーパーの駐車場に入ろうとしたところ前の車が駐車場入り口の少し先で停車していた。

僕も車を止めて前車が進むのを待っていたら、あろうことかバックしてきた。

車間が6〜7メートルあったので然程慌てずにたのだが、後車に気づいていないのかバックを止めない。

そのためクラクションを鳴らしたのだがそれでも後退を止めない。

で、そのままゴンした。

後続車もいたので僕は逃げ場がなかった。

相手は80代半ばの老女。

耳が遠くてクラクションが聞こえなかったとのこと。

会話は普通にできていたからそれは多分嘘の言い訳で本当は相手が注意喚起していることを認識できなかったということなのだろう。

田舎にはこの手の年寄りドライバーが多く、危なっかしい運転をして周囲に迷惑をかけまくっているのだが諌める身内がいないために免許証の返納に踏み切らない。

老女は通販型自動車保険に加入していた。

おとなの自動車保険セゾン自動車火災保険)というネットCMで盛んにプロモーションしている商品だ。

そのまま現場から帰してしまったらまともな事故連絡ができないだろうと思い、僕の見ている前で保険会社に連絡させた。

保険会社の連絡先を記したドライバーカードを車載していたので携帯でかけさせた。

おたおたしてまともに保険会社のオペレーターと話ができないので途中で電話を代わり事故の状況と個人情報を伝えた。

電話口のオペレーターの態度は決して褒められたものではなくやや高圧的だったことが気になった。

「契約者様のお話を聴きたいのであなたの説明はどうでも良い。」

そんな感じ。

被害者に対する保険会社の態度としては如何なものか。

この時点で嫌な予感はした。

翌日の夕方(遅いよ)保険会社から連絡があった。

修理入庫先の工場と代車の必要性を伝え、事故処理の段取り的な話でファーストコンタクトは終わった。

翌日修理工場に入庫。

代車(レンタカー)を借りた。

その2日後、保険会社のアジャスターが車を修理工場に見に行った。

その翌日、保険会社から僕に2度目の連絡があった。

「今回修理代が車の時価額を上回るため全損の扱いになります。あなたの車は年式も古く走行距離も多い。グレードも不明なため中古市場価格を調べることができない。そのため今回弊社としては6万3千円と査定します。ご了解ください。」

ここまでダイレクトではなくオブラートに包んではいたが要約すればそのように言われた。

「6万3千円で車が修理できますか?」

「ですから全損扱いです。修理費は補償しません。」

「保険金受け取ってどうなりますか?」

「事案終結となります。」

「いやそれでは困る。車を修理したいので。」

「修理代をお支払いすることはできません。賠償の考え方として、修理代と時価額のいずれか低い方をお支払いすることとなっております。決して誤った対応ではないですからご納得ください。」

「修理代が時価額を超える場合、確か特約で超過部分を含めて一定額まで払えるはずです。確か自分の自動車保険には自動付帯されています。今回は正にそのケースなのでそちら側の特約を利用して払ってもらえないのですか?」

「お客様の契約にはその特約は付帯されていません。ですから超過部分の支払いはできかねます。全損扱いでご了解願います。」

「わかりました。では結構です。相手に直接請求しますから。」

「今回の事故では弊社が事故処理を全面的に任されていますから直接交渉することはお止めください。」

「では私はどうしたら良いのですか?」

「…」

「どうかご検討ください。なお代車は〇〇日に引き上げさせてもらいます。」

呆れた。

www.ins-saison.co.jp

言葉遣いは丁寧だが言い分はメチャクチャだ。

 

 

その後自分の加入保険会社である東京海上日動に連絡したところ弁護士を紹介されたので後日相談に赴いた。

弁護士曰く、

「加害者に直接請求しても断られたらそれでお終いです。中古市場価格を調べてデータを最低でも5台程度集めて保険会社に提示すればきっと検討してくれるはずです。」

ネットで調べましたよ。

が、僕の車に近い状態のものはほとんど無かった。

走行距離がどうしてもマッチしない。

10万キロ超だとあまり売りに出ていないのだろう。

8万キロ前後のものは数台あったのでそれを保険会社にメールで資料提供した。

メールしてから2週間後に保険会社から連絡があった。

十分時間が経っていたので余程検討してもらったのかと思いきや、

「提供いただいたデータは距離がマッチしていないので使えませんでした。結論として全損扱い6万3千円の査定額を引き続きご案内させていただきます。代車試用期間は私の裁量で引き延ばしていますのでその点は譲歩させていただいております。」

云々。

流石にブチ切れましたよ。

「あなたが今言ったことはメール開いて直ぐに判断つくことでしょう。2週間もかけて何をやっていたのですか?別に代車利用の継続をお願いした覚えもありません。」

「あなたと話をする気はもうありません。どうか別の方に担当を変えてください。もしそうしないなら直接本部に依頼します。あなたの対応は被害者の心情を無視した一方的なもので、あまりにも誠意に欠けています。大事な特約付けていない欠陥保険だからといってその犠牲になるつもりはありません。時間がいくらかかっても良いです。もっと納得できる査定を期待しております。」

冷静に話をするつもりだったが頭に血が上り最後は怒鳴ってしまった。

こんなに腹立ったのは何時以来だろう。

車は修理できない、保険会社はブタと、もう踏んだり蹴ったりだ。

ダイレクト自動車保険はネットで加入できるメリットとデメリットが混在する。

代理店マージンをカットできるので保険料が安いのは確かだ。

しかし契約者自己責任の部分が一般の保険会社の自動車保険に比べて大きい。

つまり保険屋の経験値がまったく介在しないのである。

そこにコストを掛けるのは決して無駄ではない。

対物超過修理費用を補償する特約を付けない(任意付帯になっているため)ことの意味を多分契約者は知らない。

実際の事故の被害者が泣きを見ればそれで良いのか?

今回の僕のように。

保険契約時(更新時)に判断力の乏しい高齢契約者に対する配慮にも欠けているのだろう。

欠陥保険に加入させている罪は決して軽くないと思う。

「保険会社が被害者をやり込めれば契約者は何も困らないから。」

欠陥保険に加入させている罪を被害者に対する強硬な態度で償おうとしているのだろうか?

そういう印象を受けてしまった通販型保険会社の対応だった。

 

最終的にどうなったか?

査定額を18万円まで上げてもらい示談した。

馴染みの車屋にその金額で可能な修理をしてもらった。

幾らかは僕が妥協した感じ。

後味はあまり良く無かった。

車屋と二人三脚で協力してそこに漕ぎ着けたとも言える。

多少事故処理の知識が僕にあったこと、車屋と仲良くしていたことなどでどうにかこうにかだ。

普通の人だったら多分6万3千円で押し切られていただろう。

 

保険会社がブタな理由は明確。

結局査定額をアップさせられた上、代車を2ヶ月も借りられて修理代とほぼ同額のレンタカー代を払う羽目になったこと。

それを被害者に多大なストレスを与えた上でだ。

全損6万3千円譲らずのスタンスを結局貫けず最後は腰砕けしたわけだから。

誰も何も得をしないというトホホな結末。

ブタとしか言いようがないでしょう。

示談後もモヤモヤが消えないのでここに長雑文書いてしまった次第。

これで忘れることにしよう。あの保険会社のことを。