Date: 2016-05-21
Where: The Cosmopolitan of Las Vegas, Las Vegas, Nevada, USA
Division: light middleweight (154 lbs, 69.9 kg)
Title: IBF World super welterweight title
Result: Jermall Charlo def. Austin Trout (unanimous decision, 116-112, 115-113, 116-112)
マッチアップ:★★★★
スリル:★★
スキル:★★★
印象度:★★★
先ず、チャーロがサウスポーを苦手にしていなかったこと、
したがって特にサウスポーを意識した戦略を用意していなかったであろうこと、
難敵トラウトが相手であっても自らのファイトスタイルを無理なく貫いていたこと、
普通にジャブを突き、
普通にワンツーを打ち、カウンターを狙っていた。
クロスファイトではあったけど、ペースを取っているように映ったのはそんな理由から。
12Rのゴングを待つ両者の表情と顔面のダメージを比較すれば、単純に勝者/敗者のコントラストは出ていたのではないか。
チャーロはメンタルコントロールもなかなかしっかりしているようで試合中にペースを乱すことはなさそうだ。
それとディフェンス力も評価して良いと思う。
細かいステップワークと小さなスウェーバック、ダッキング、ヘッドスリップ(ボディーワーク全般必要最小限の動きに止めていてニュートラルに戻るのも早い)の複合ディフェンスで連動性が見て取れる。
試合終盤、劣勢を自覚したであろうトラウトが、インパクトを狙って大振りスイングを繰り返しても、ヒョイヒョイとスムーズに避けていて危なげなし。
距離をキープすることでリスクマネジメントしているトラウトとは対照的。
よりオフェンシブに行けるのは勿論チャーロの方。
トラウトは地力のあるところはそれなりに見せましたが、やっぱり見栄えがね。
チャーロのプレッシャーがキツかったのかもしれませんが、単調な前後の動きのみ終始する悪いところが出てしまいました。
もしかしたらコンディションがあまり良くなかったのか、改善の見られていた足さばきがまた元に戻ってしまった。
ケンカ四つの必然だけど、前足同士がぶつかって引っかかるとトラウトの方がバランスを崩していた。スタンス広めなのに。
一方、チャーロはびくともしていないので、体幹とバランスに問題があるような気がします。
今まで懐の深さでカバーしてきたが、大柄なチャーロ相手だとバレバレに。
まあ、山場盛り上がりには欠けたかもしれないが決して塩っぱい試合ではなかった。
トラウトは悪いなりに元タイトルホルダー(コットにも勝っているし)の意地を見せたと思うし、チャーロの長所も再発見できたので 、個人的には楽しめました。