Saturday 22, February 2020
MGM Grand, Grand Garden Arena, Las Vegas, Nevada, USA
Commission - Nevada Athletic Commission
Promoter - TGB Promotions - Tom Brown, Warriors Boxing - Leon Margules, Top Rank - Bob Arum
Matchmaker - Brad Goodman, Tom Brown
Media - Panama RPC Channel 4, USA ESPN+, USA FOX PPV
マッチアップ:★★★★
スリル:★★★スキル:★★★
印象度:★★★
大柄なライトハンダー同士ということもありディテイルを無視すれば似たようなスタイルの両者にも見えなくもないのだが、フューリーの方がワンサイズ大きい。
つまりスピードにあまり差がなければ、より大柄な方が 同じスタイルの相手にアドバンテージを得ることができる。
この単純なロジックを証明してしまった試合だったように思う。
破天荒を装った戦術家のワイルダーなのだが、引き出しを開ける前にフューリーにペースを取られてしまったようだ。
試合前のトラッシュトークで後手を踏み感情的になっていたとするとメンタルも上手くコントロールされていたのかもしれない。
あとはジャブの使い方の差。
フューリーはジャブを突きながらプレッシャーをかけていた。
ワイルダーはジャブで対抗せず、ボディワークも使わず、ただ後退してしまった。
自分より大きな相手に下がらされたら、どんどん不利な状況になるのは自明の理。
しかもディフェンスルーティンを読まれていて、オーバーハンドライトを狙い打ちされた。
ワイルダーのディフェンスはダッキングとスウェーバックの2種類しかない。
だからタイミングと軌道を調整すれば狙い打ちできるのだ。
フューリーはそれを知っていてワイルダーのダッキング時の顔面の位置を計算して右を被してきた。
同じようなシーンを以前にも観たことがある。
トーマス・ハーンズがロベルト・デュランをオーバーハンドライトで倒したシーン。
最初のダウンシーンがそんな感じだった。
デュランがダッキングしたそのタイミングを読んで軌道を合わせた打ち下ろしの右だった。
本人は避けたつもりがドンピシャのタイミングで打たれるのだから効くわな。
戦術で上回れてしまったワイルダーはメンタルのダメージも大きかったようでリカバーする気配なくダメージを蓄積していった。
単調なオフェンスパターンのワイルダーの右はバックステップで無力化されていたため、逆転の一発への期待は皆無に近かった。
フューリーは大きな体の割に足捌きが良い。
パンチは大してないが、鈍重そうな見た目と実像のギャップが大きくてちょっと評価しにくいファイターではある。
まあ、ヘビーウェイトとしてはあまり面白いボクシングではない。
できればジョシュアに退治してもらいたいのだが。簡単ではなさそうだ。
Tiny Deskにクリス・デイブ&ドラムヘッズ登場。
先週来日していたみたい。観たかったな。