Saturday 5, October 2019
Madison Square Garden, New York, USA
Commission - New York State Athletic Commission
Promoter - GGG Promotions - Gennady Golovkin, Matchroom Boxing - Eddie Hearn, GGG Promotions - Tom Loeffler, DiBella Entertainment - Lou DiBella
Inspector - Matthew Delaglio
Media - United Kingdom SKY
マッチアップ:★★★
スリル:★★★
スキル:★★
印象度:★★
ゴロフキンのようなオフェンシブファイターは能力的なピーク(エリートレベル)を長期間維持するのが難しく、例外的にジョー・ルイスやナポレスやデュランなどほんの一握りのレジェンドが存在するにはするが、
彼らに共通しているのは圧倒的なオフェンス力を支える高いディフェンススキルの持ち主であったということ。
単純に言えば、ほとんどの試合であまり打たれずに相手を打ちまくっていた。(先に当てたもん勝ちとか攻撃が防御ではなく攻防の連動性に極めて優れていた)
彼らもスピードや反射神経の衰えは加齢と共に進行していたのだがそれを補って余りあるスキルがあったので相対的に能力で相手に勝り続けられた。
ゴロフキンは圧倒的なオフェンス力で勝ち続けてきたが、下支えする高いディフェンススキルがあるかというと、うーん、微妙 。
この試合に関する海外メディアの論調は、
「もはやGGGはエリートレベルではない」
そうかもしれない。
37歳だしね。
が、僕が感じたのは、ゴロフキンのディフェンスルーティンがデレビヤンチェンコのようなタイプにはマッチしないということ。
やや攻防分離傾向になってしまうゴロフキンに対してデレビヤンチェンコは攻防の連動性を常に保っていた。
だからマッチアップすれば見栄えはデレビヤンチェンコの方が良い。
ゴロフキンは以前に比べればディフェンス意識が高くなっているようだが、引き換えに攻防分離傾向になっているようだ。
もちろん打たれない方が良いに決まっているが、ガッチリ噛み合って打ち合うとデレビヤンチェンコの方にアドバンテージが出る。
つまり相手のオフェンスに対するリアクションがヘッドスリップやダッキングなどボディワーク主体のデレビヤンチェンコに対してブロッキング主体のゴロフキンはオフェンスへの移行スピードでアドバンテージを取られてしまうのだ。
なんとか勝てたのはオフェンス力(パンチングパワー)でマイナスを埋めていたから、
ペース自体はデレビヤンチェンコが取っている時間帯の方が長かったのではないか。
DAZNとの契約がまだまだ残っているゴロフキンにとっては相性的にリスキーな相手だったが、まあ負けなくて良かったね。
デレビヤンチェンコは顔面のダメージが印象を悪くしてしまったかな。
それとゴロフキンのようなスターボクサーに勝つためにはただペースを取るだけではなく要所でエネルギーをもっと使って一気に畳み掛けないと。
倒し切ってしまうくらいの迫力を出してね。
内容的に自分が勝ったと思っているだろうけど、足りないものがあったのは確かだ。