<リーガ31節 R・マドリード vs バレンシア サンチャゴ・ベルナベウ>
引き分けたバレンシア戦後のレアルの戦績は、31試合/25勝/4引分/2敗/得点100/失点27
得点は2位バルサより10点も多く、失点はリーガ最小のバルサより4点多いだけ。
圧倒的な選手層と堅い戦術と決定力のあるアタッカーのおかげで失速せず安定した戦いぶり披露してきたレアルですが、目の上のタンコブ的存在のバルサのせいであまり高い評価を受けていない印象があります。
結局のところバルサに勝てなくてもリーガのタイトルを獲ることは可能だけど、なにかフラストレーションを残したまま、来シーズンに宿題を残したまま、咽に小骨を引っ掛けたまま、そんなシーズンの終わり方と評価になってしまいそうです。
テレビの画面に映るモリーニョの不機嫌な顔はバルサとの勝点差が徐々に縮まっているせいでなく、立派な成績で良いシーズンを送っているはずなのにナンバーワンを誇示できない歯がゆさから来ているのかもしれません。
勝点で10の差をつけた後のレアルの戦いぶりには試行錯誤が見て取れます。
脱カウンター。
攻撃にかける時間が明らかに多くなりタッチ数も増え、パスは短くなり、ワンツーを多用し、ドリブルでの仕掛けは局面を打開する時だけで、縦に長い距離を走るのことはあまりなくなりました。
ギクシャクとしていたパス回しも徐々にではありますが、スムーズになりつつあります。
元来が上手い選手たちなのですから、やれて当然といえば当然。
パス回しに加わる選手の数も増え、狭いスペースに白いユニホームがいっぱいいるシチュエーションが目立つようになりました。
バレンシア戦は試行錯誤しているレアルの産みの苦しみが伝わる試合でした。
特に前半。
後半ディマリアとカカが入ってからは昔のレアルに戻ってしまいましたけどね。
戦略を変更しポゼッションを意識しだしたレアルの中で、一番苦しんでいるのは多分ロナウドでしょうね。
パスを繋ぐサッカーに馴染めないように見えますね。
ただ一生懸命やっている。でも相変わらず守備をサボっているので、粘っこさがないんですよね。攻守のライムラグが少ないバルサとの違いはそこです。ボールを失った後必死に奪い返そうとするメッシとの違い。上手い下手ではないんです。
ロナウドがボールを失った後、リカバーする意識とスキルがもっと高くなると、かなり違ってくるんですけどね。
彼のストロングポイントを薄める可能性はありますが、オフェンスの中心でいたいならやるべきでしょう。
エジルも苦しんでいますね。彼がオフェンスのタクトを振っていますから、凄いスルーパスを通す反面、ややキープ力とポジショニングのセンスに物足りなさを感じます。
まあ、どの選手も帯に短し襷に長しなのかも。
でも、スタイルの変化を模索するレアルの志は僕は評価したいです。
クラシコまでにいろいろと間に合うかな?どうかな?