今週末行われるスポーツイベントで注目しているもの。
カネロ-チャーロのレビューを書きそびれたのでここで簡潔に。
チャーロがビボルのように戦えないのはわかっていたけどそれにしても手数が足りなかった。
短身でガードの固いカネロの重戦車プレスを回避するためにはポジションを変えつつ手数をより多く出すしかないのだが、カウンターパンチャーよろしくじっと隙を窺うスタンスではジリ貧に陥るだけ。
時々タイミングの良い左フックを入れていたが、何事もなかったように打ち返してくるカネロを見て自信を無くしてしまったのかもしれない。
単発の左フックカウンターを狙うのではなく、足使って動き回って(無駄にではなく)ジャブ中心に手を出しまくらなければ、カネロからペースを奪うことはできない。
まあそれができるのは、ほんの一握りの実力者だけだと言うことをカネロは知っているからこそ、あの単調なスタイルに自信を深めているとも。
ある意味省エネ戦術なのだろう。カネロにとって。
フィジカルで負けなければ誰とマッチアップしようが成立してしまう今のスタイルが完成形だとすると、ちょっと残念だが。
観戦中ふと、マービン・ハグラーだったら今のカネロを上手く捌けるだろうなと思った。
ハグラーは序盤からスパークしてそのまま倒し切ってしまうこともあったが、
ベースは慎重なスタンスをキープしつつめっちゃ手数を出すボクサータイプだった。
だからファイタータイプ(ハムショとかシブソンとかブリスコとか)とマッチアップするとガチっと噛み合って見応えのある攻防を繰り広げてくれた。
スタンスとポジション変えながら力まずスムーズにポンポンと良いアングルとタイミングでパンチを繰り出す。
言い方当てはまるかは微妙だが、
手数で相手のプレッシャーを無効化していた。
ベタだが、闘牛士さながらのブル扱いに様式美すら感じたものだ。
78年のハグラー-ブリスコ。
タイトルホルダーになる前のハグラーだがスタイルは以後もほとんど変わらない。
つまりこれが通常運転。
倒し屋的な側面もあるハグラーだが、本質はフットワーカーでありジャバーなのだ。
対戦時ピークを過ぎていたとはいえ、ベニー・ブリスコはラッシングパワーがあってタフで厄介なファイターだ。
珍しくやや苦戦はしているのだけど、そこはブリスコを褒めるべきだろう。
ガードそのものが固い上にボビングとウィービングを交えたディフェンス力は決して侮れない。
そして一定のディフェンス力を担保した上でノンストップアタックをかけてくるのだから。
それでもハグラーは良く動き、良く手を出しているからペースを相手に渡すことはない。
ハグラーvs.カネロを仮想対決させてみると、
うーん、カネロが勝つ絵が浮かばない。
手数が多いことって大事だよね。
ハグラーの試合を観ていると強くそう思う。
そんな僕だからこそ、攻防密度の低いカネロの今のスタイルを称賛できないのだろう。
彼の試合を再見することってほぼないもの。
ボクオタ心に刺さる要素が見出せないからね。
決して実力を疑っているわけではない。
ただ試合があまり面白くないだけだ。
<Foot>
Juventus vs. Torino
ホームでのデルビーに向けて負傷離脱していたミリクとブレーメルが復帰したようだ。
ブラホビッチはダメそう。
キエーザは疲れのためかキレが落ちてミスも多くなっているので休ませたいところだがそうもいかないか。
アタッカーに不安を抱えている状況なので他のポジションのプレーヤーの得点(セットプレーとか)にも期待したい。
特にミレッティ。
プレイタイムそこそこ貰っているのだから、そろそろゴール決めないと存在感薄れるぜ。