渓流釣りで面白くも難しいタイトで複雑で速い流れとの向き合い方について。
常用する3〜4g(5g以上はほとんど使わない)程度のウェイトだとシンキングタイプの優位性が高まる。
例えばCD3(4g)を流れのほとんどない水深30cmの場所で引いてみる。
引かれる力と沈下する重力の関係からラインテンションをある程度維持し続けないと直ぐに底ついてしまう。
ところが同じロケーションでも流れが速い場合はプラグが流れに乗るような形で沈下速度が遅くなる。
垂直ではなく斜め方向に沈むからだ。
止水の場合はヘリコプターの着陸、流水の場合は飛行機の着陸と例えるとわかりやすいか。
更にプラグのボリュームの割りに大きくて立ち気味に取り付けられたリップががっちり水を掴むため、流れのジェットコースターにプラグを搭乗させるような一体感を産む。
そして比重の関係もあり流速よりやや遅く流下する。
この流速よりやや遅いというのがキモだ。
つまり生命感が出せるのである。
ゴミのようにそのまま流されるのではなく水流に抗う意思を持つことをターゲットに認識させる。
だから餌だと思わせて騙しやすい。
フローティングプラグで同じ効果は出せない。
沈下しないから流下速度が早く、生命感を醸しにくい。
ただリップの役割は同じなので水を掴むことでジェットコースターに乗せることはできる。
否ジェットコースターよりロデオのイメージかな。
暴れる馬に振り落とされないようにしがみ付くあれね。
ジェットコースターはベルトで固定されて落ちないが、ロデオにそれはないから振り落とされやすい。
沈下することがベルトの役割になるのだ。
流れに同期するためには流速よりやや遅く流下しなければならない。
ジェットコースターの方が安全(釣れる)であることは明白なので視点を変えてみる。
スキーやスノーボードで斜面を滑り降りるとき、ターンすることで速度を下げる。
板のエッジで雪面を掴んだり抜いたりすることがターンになる。
フローティングプラグの場合水流より遅く引くことはできないが、せめて流下速度にメリハリをつけることはできないか?
リップをスキー板のエッジと同じ役割させることで。
具体的にはショートトゥイッチで水掴みと抜きを連動させる。
抜きの工程では水流をプラグの側面から受けるようにすればヒラを打ちやすいだろう。
つまり入力で水掴みさせて自発的アクションを起こしつつプラグの向きを変えやすくしておき、抜いた途端に横向きするようにする。
タイミングを掴めばそんなに難しいことではないだろう。
そして流れの向きが複雑に変わる瀬においてはシンキングタイプよりフローティングタイプのメリット(リアクションの良さ)がきっと生かされると思う。
まだ頭の中が整理できていないので分かりにくい説明になってしまったが、なんとなくでもニュアンスが伝われば良い。
自分の言葉で表現できる納得できる形ができるまではフローティングミノーを検証しててみよう。
使い場所を選ぶのは確かなのだが。
支流ラリー7週目のウィークデー釣行分。
サイズが出せなくてクリアできていない支流に3回目の追試に行った。
前日の大雨で増水したため水位が高く釣りしにくい状況。
魚も動いてしまっているようで魚影を全く確認できないままポイントを転々と変えた。
激流で危なくて遡行できないので要所だけチェックしては車で移動を繰り返す。
濁りは少ないのだが如何せん水位が高すぎる。
開始から3時間何もなかったが瀬周りで唐突に食った。
バイトどころか魚影を見れたのはこの1回きり。
どうしてそこに居たのか何故食ったのかまったくわからないがサイズは十分だった。
早朝少し気温が低いこともあり久々にウェーダースタイルにしたのだが、短パンのポケットにメジャーを入れたままで家に忘れてきた。
まあ測るまでもなく20cm以上はある。
やっと追試をクリアだ。
過去何度も釣行し良く知っている支流だったし春には尺上も出ていたので少し舐めていたかもしれない。
意外なほど苦戦してしまった。
人気支流なので先行者や頭ハネ野郎などの障害があったことも確かなのだが。
人が多く入る支流とそうでない支流の差は、
エントリーしやすいかどうか、(駐車しやすさは無関係なようだ。道幅の狭い生活道路の路肩に平気で駐めている輩もいる)
遡行しやすいかどうか、
水質が良いかどうか、(集落や商業施設が川沿いに多いと水質が悪い)
釣果情報が多いかどうか、
上ともリンクするがネームバリューの有無
そんなところだろうか。
ほとんどは里川で渓流と呼べる現場は少ない。
上流に行けば渓流になるのだが、そこには魚は少ない。
ほとんどの川の上流域には大規模なワサビ田があり、川底はコンクリで固められて用水路化している。
その上流側は放流の影響が消えてしまうようだ。
純天然魚が生息しているのかどうか知らないが、あまり期待できないのではないか。
森林伐採の影響が源流域まで及んでいるからね。
午前中いっぱい釣りするつもりだったので残りの時間で別の支流に行った。
2度目の追試だが条件は不問にして現場に行くだけで終わりにしようと思っていた。
まああまり行きたくないからだ。
上流域はワサビ田に利用されているため釣り不可。
ワサビ田のちょい下流のエリアは観光スポットになっており、何故かその僅か300mくらいの区間のみ魚影が濃い。
ただイワナもいるのでアマゴとどっちが釣れるかわからない。
この瀬に魚が溜まっていて魚影が確認できたのはここだけだった。
もうちょい水量が少なければもっと釣りやすかっただろう。
やっぱりイワナが出た。
ここは普通にイワナが釣れるようだ。
放流はしていないので養魚場から逃げた魚が繁殖して増えたのだろう
週末は大雨。
水位が高止まりしているところに追い打ちの形になりとても釣りにならない。
土曜日は釣行を見送り日曜日だけ現場に行った。
2週間前に釣行しサイズが出なかった支流の追試。
この支流は渓流でも里川でもない川幅水深がある比較的大きな川だ。
地元の人の話では昔は遡上マスが沢山居たらしい。
サクラマスと言っていたがサツキマスと混同しているのかもしれない。
確かに規模的には本流とあまり変わらないので遡上マスが居そうではある。
今でももしかしたら少数が遡上している可能性はある。
そうだとしても釣れるほどのロットではないだろうが、増水というファクターがロマンチックな気分を呼び起こして、
「もし食ってきたらこのタックルで大丈夫だろうか?」
無用な心配をちょっとだけしつつ中規模河川をランガンした。
遡行はできないので入渓と退渓を繰り返しながら移動していくのだが、それが結構きつい。
そして川からの反応は皆無。
魚影はまったく確認できない。
増水で魚が動いているのだろうし、水温が低下していて活性に影響している可能性が高い。
まあ難しい日に釣行しておくのも良い経験だと割り切ってジタバタとやれることをやったが結局魚にたどり着けなかった。
ノーバイト、ノーチェイス。
22000歩、14kmも歩いたが報われなかった。
「このコンディションで他の支流もここと同じだろうか?」
気になったのですぐ近くの別の支流に行ってみた。
エントリーした場所でチビがあっさり釣れた。
他にバイトやチェイスもあり、以前釣行したときと変わらない反応だった。
そこは里川なのだが小規模河川は雨による負の影響をあまり受けないのかもしれない。
それ以上深追いする気はなかったので活性を確認しただけで退渓した。
今週は週を通して雨の予報が出ているので現場に行けないかもしれない。
未アテンドの3支流の様子をできれば梅雨明け前に確認しておきたいのだが。
真夏に初釣行しても玉砕するだけだろうから。