先週負った左足のケガは痛みと内出血が酷かったので骨折を半ば覚悟していた。
幸いにも打撲だけで済んだが腫れはなかなかひかず、膝を曲げると痛みがどうしても出る。
ただ車のクラッチはなんとか切れるし、普通に歩くことはできる。
「何とかなるんじゃね。」
沢登りは無理としても入渓や退渓にキツい崖降りのない低山帯の渓であればいけそうと楽観的に考え、まあ無理そうだったら止めれば良いと。
あと5日で禁漁だし、やりたいこともあるので低山帯を流れるマイナー支流に釣行した。
魚影は薄いが競合者はまったく居ないから魚を見ることはできるだろう。
車止めで準備をし入渓場所まで歩いていると軽トラがすれ違いざまに寄ってきて話しかけられた。
「アマゴ釣れるかね?」
「上流に集落があって排水ドバドバだから水汚いでしょ?」
「だから釣れても食わない方が…」
「ここはゴミ捨てるヤツがいるから川を歩く時気をつけた方が良いよ。ガラスの破片とか」
「なんでこんな誰も釣りしないところでやっているの?」
「自分もこの道をよく通るから気になっていたけど、どうもやる気にならなくてさ。」
やれやれ、気を削ぐようなことをダラダラ取り留めなく。
本当は何を伝えたいのか、ネガティブなことばかりのたまう。
他の支流でもこの手には遭遇した。
まともなコミュニケーションする気のないネガティブスピーカー。
頭ハネした輩に追いついたので話しかけたら、
「全然釣れないでしょ。止めた方が良いよ。昨日エサ釣りが入って抜かれたから空っぽだから。」
俺より先に上流に入るなと言いたいのだろうが、自身が頭ハネしているからダイレクトに言えないので婉曲した表現をするのだろう。多分。
何というか幼稚だしセコ過ぎないか。
まあ僕の思い過ごしなら良いが。
渓魚釣りの最大のストレスは他の釣り師だな。
だから人の居ないマイナー支流に釣行するのだが、どこにでも必ずこの手は居るようだ。
軽トラの兄ちゃんが言っていたようにこの支流の水質は悪い。
でも低山帯を流れる支流はどこもこんな感じ。
清流と呼べるような川はほとんどない。
ただ濁りがカモフラージュになっているのか魚の反応は悪くないのだ。
スレていないからとも言えるが、時合らしいものはない上に渓魚はプラグを容易に見切るので濁りはプラス要因だと思っている。
魚を上に出すことに関しても同様で、クリアウォーターよりは可能性を感じる。
だからこの支流を選んだとも。
今試しているベビーグリフォンゼロはアップで使うとほぼほぼトップウォータープラグになる上にラフウォーターの中でも存在感を失わない。
写真でわかるように幅とボリュームがサイズの割にあるので水押しが強い。
大きな波紋を出しながら踊ってくれるので水面上であっても魚から認識されやすいはず。
マイクロプラグがサイズを超えた大きな波紋を出すというギャップが集魚要素になるのではと期待している。
実際渓魚の反応はそこそこあり、バイトも取れている。
ただ乗らない。
一度フッキングしたのだが僕がちょっと慌ててしまいバレちゃった。
情けないことに釣れると思ってなかった。
「ちゃんと上に出るじゃん。」
水深のある堰堤下のプールでも試してみた。
トゥイッチして水沫を上げた途端ガバッときた。
魚が水面上に腹出してアタックしてきたのだ。
感動したよ。
タイミングと魚の活性次第なのは当然だが、トップの醍醐味を渓魚でも味わえると確信した瞬間だった。
残念ながら乗らなかったが、そんなことはどうでも良い。
上に出る。
それがわかったのだから。
とは言えベビグリゼロ縛りやっていたらボウズになりそうなのでファーストアプローチのみ使い、反応があっても無くてもフローティングミノーでフォローするような段取りにしている。
活性上げ?
その効果があるのかどうか不確かだが、イメージはそれ。
さて、現場。
上の写真のプールでベビグリゼロを引いたが反応はない。
ただ雰囲気はあり、魚の気配がムンムン。
釣り込んでいるとそういう勘は冴えるものだ。
すかさずアスリート55S FH改に変えると図ったように食った。
来たねー、良型。
この魚が見れただけでも来た甲斐があった。
トップがなんらかの好影響を与えたと信じたい(笑)
午後からの短時間釣行ということもあり釣果はこの子だけだった。
左足は無理しなければなんとかなることがわかったので翌日は早朝から釣行した。
人気支流なので敬遠していた現場だが、先行者がいたら移動すれば良いと割り切って行ってみたら誰も居なかった。
きっと釣れていないのだろう。
魚は飽きない程度にポツポツ。
それっぽいポイントは叩かれまくっているのか無反応。
竿抜けを探して魚を拾っていく。
サイズは16cm〜22cm。
良型は出なかった。
魚を連れてきたプラグはアスリート55S FH改だけ。
ベビグリゼロは1ヒット1バラし。
今日こそは釣れるかなと期待していたのだが。
テールフックに掛かっているようだとトップでは難しいのかもしれない。
塗装が剥げてボロボロだが逆に凄みが出てきたアスリート55S FH改。
岩にガンガンヒットしても壊れないから瀬での使い勝手は抜群に良い。
この個体、チビを含めれば100匹以上の渓魚を連れてきている。
CD3のような特別な集魚力があるわけではないが、使い倒せるから結局釣れるという理屈。
ザウルスのブラウニー・トランの方が集魚力はあると思うが、瀬で使うにはちょっと脆い。
岩にヒットするとリップやテール部などはあっさり壊れてしまう。
だからスタメンに使うのは躊躇する。
CD3も岩にヒットするとリップが捥げてしまうので結構気を使う。
岩だらけの瀬で100%ぶつけずにキャストするのは難しいのだ。
僕のキャストは正確無比では決してない。
だからタフなアスリート55S FH改は重宝している。