ショートレビュー フィゲロア-ネリ

 

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Saturday 15, May 2021

Dignity Health Sports Park , Carson, California, USA

commission California State Athletic Commission

promoter Tom Brown matchmaker Tom Brown

doctor Kelly Tucker, Jeff Roberts, Paul Wallace inspector Mark Relyea

media USA Showtime 

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マッチアップ:★★★

スリル:★★★

スキル:★★★

印象度:★★★★

 

フィゲロアにとっては今後のスターキャリアを築くに当たってのマイルストーンになる可能性がある試合だったと思う。

素行やスポーツマンシップにおいて大きな問題はあるとはいえ、なんだかんだネリは難敵で攻略するには決して低くないハードルではあったはず。

よって注目度の高い試合で完勝できたこと自体が大きな意味を成すのである。

このクラスにしては長身(公には5'8"だがもっと大きいかも)ロングリーチの器用なスイッチヒッターかつ好戦的なスタイルという点でユニークだ。

可愛らしいマスクだしメキシコ系アメリカ人ということでテキサスではきっと人気者になるだろう。

細かい欠点はあるが、耐久性に問題はなさそうだから今は目を瞑れるかな。

具体的には右サイドのガードね。

好戦的なスタイル故に懐の深さを感じないため体格の劣るっている相手でも左フック当て放題。

ガチーンと左を合わされそうな怖さはあるし実際かなり左フックを食っているのだがケロッとして打ち返しているので、まあ相手によっては気をつけてねと言うに留めておく。

それ以外のディフェンスは悪くない。

この手の好戦的なスタイルのファイターの今後のキャリアを想像する際のポイントはディフェンス力だと思っていて、どんなに優れたオフェンススキルを持っていてもディフェンスに欠陥を持っていると、落とし穴に必ず落ちるからだ。

例えばファン・マヌエル・ロペスとか。

彼がサリドに勝てなかった理由は明確だ。

手を出すことばっかりに意識が集中していて相手のリアクションに対するイマジネーションが希薄なのだ。

別にね、フィゲロアのディフェンスが悪いわけではないので誤解なきよう。

ブロッキングとボディワークとフットワークの匙加減はそれなり。

ジャブをオフェンスとディフェンス両刀使いに機能させられればもっと安定感が出るのだが。

アルゲリョのように。

現状ただ、「ジャブ打ってまーす。」という感じであまり効果を発揮させられていない。

改善の余地があるということは伸び代があるということなのだが。

右サイドが無防備になりがちなのは頻繁にスイッチするためにバランスの微調整が上手く出来ていないためではないか。

それと左でボディを狙う意識が強すぎるためだろう。

オフェンス的にはストロングポイントになっているがその裏返しでリスクを負っている感じかな。

顔面の右サイドがサウスポー、オーソドックスどちらの時でもポッカリ。

長身なのに上目遣いにあるほど顎を引いているから大事に至っていないけどね。

大分情報晒しているので今後は相手も研究して欠点ついてくるから気をつけてね。

 

引き分けたサハ戦。

案の定左フック食い過ぎだよ。

やや分のある引き分けだと個人的には思うがこの程度の相手ならもっと上手く料理しないと期待感が萎んでしまう。 

スイッチヒッターは手数が少なくなりがちなのだが、フィゲロアに関してはスムーズにポンポン手が出る点を評価したい。

もっとパンチの強弱にメリハリをつけ、ロングショートの打ち分けまでできるようになれば大成するのでは。

要チェックリストには入れておこう。