濁る渓

 

 

先週末土曜は雨降りだったので日曜に渓流釣行した。

現場は続けざまだが早川水系だ。

7月に初釣行して以来集中して来ているのは現場を短期間に把握したいから。

水系全体を概ね把握したわけではないが、主要な現場は回った。

で、ついホームリバーと比較して見てしまうのだが、

釣りの現場としてのバリエーションはホームリバーの方が多様だ。

そもそも水系の規模(支流の数も)が違う。

が、奥行きという点で比較すると早川水系の幾つかの支流に関してはよりあると思う。

そのため遡行難易度も相対的に高い。

ホームリバー水系において入渓場所が極々限られているとか、堰堤や滝を巻くのが困難とか、先に進むために崖をへつらなければならないとか、ロープなどの道具の必要性を実感するとか一切ない。

何処もほぼ初級レベルである。

ただ渓魚釣りの難易度はホームリバーの方が上だろう。

魚影云々ではなく、相対的に遊漁者が多く競争過多だからである。

自分だけで現場を独占できる状況はぼほなく、実際魚もスレ気味である。

竿抜けを探る発想やポイントを読む(地形や流れの相関など)能力もある程度必要になってくる。

ホームにはイワナが居ないのでより警戒心の強いアマゴだけを相手にしなければならないこともある。

渓魚に対してこういう見方は違うかもしれないが、1匹の価値はホームリバーの魚の方が上だろう。

だって初めて入る現場で50匹釣るなんてホームでは考えられないもの。

50匹釣れるのには理由があって、つまり人が入らない、入り難い、危なく面倒い現場だから。

山道を長時間歩かなければ現場に着かない、急斜面の崖を下りなければ入渓できない、危険な高巻きをしないと遡行を続けられない、熊出没のリスクがある、渓の周りにヤマビルがウジャウジャ居る、そんなデメが人を遠ざけているのだ。

渓相は、あんま良くないかな。

土砂がボトムに溜まっていて全体的に平坦な地形になってしまっている。

沢山釣れるが、釣り味がイマイチな印象なのは地形の変化にやや乏しいことも一因だろう。

そして雨が降ると大した降雨量ではないにも関わらず、濁りがガッツリ入る。

嫌な白濁りが出て川は沈黙してしまう。

雨後は釣りにならない現場が多いようだ。

そのことは実際に現場に行かないと分からないから厄介だ。

まあ基本的に前日なり前夜に雨が降ったら釣行を回避するのが賢明だろう。

 

 

本当は黒桂河内川の中流域に入るつもりで準備してきたのだが、現場に着いて渓を見ると雨の影響で白濁りしていた。

増水はそれほどでもなかったが、釣りになりそうもないことは容易に判断できた。

濁りで透明度が低く川底が見えないから渡川時にも躊躇いが出るだろう。

大した雨量ではなかったはずだが、こんなに濁るんだな。

で、諦めて他の現場を探すことにした。

先ず気になっていた早川本流の湯川合流点に行ってみた。

濁りは釣りができないほどではなかったが魚影が全く確認できない。

清々しいほどの沈黙である。

全く面白くないし時間の無駄だと判断し、100m遡行しただけで退渓して保川に移動することにした。

雨後もそれほど濁らないイメージの支流はそこしか思いつかなかったからだ。

保川に移動して橋の上から川を覗くと予想通り濁りが少ないことがわかったので入渓した。

 

 

前回は中流部を釣行したが、遡行難易度がとても高くヤマビルのネガもあるため今回は敬遠し遡行の楽な下流部でお茶を濁すことにした。

チビアマゴに遊んでもらおうと。

 

 

きっと直近で人が入っていなかったのだろう、竿抜けを探る必要もなく容易に釣れた。

サイズは5寸アベレージとチビたん軍団が大らかに食ってくる。

バギースピナーは反則だったかも。

 

 

チビであってもアマゴはアマゴ。

流れを読み戦術意図を持ってキャストする。

スレていなければきっと食ってくる分かりやすさ。

何らかの根拠(経験から生まれる発想)に基づいたことをやりさえすれば単純明快に回答が出る釣り味はアマゴ釣りならでは。

イワナ相手だとこの醍醐味を感じることがない。

もっと戦術的な方程式が単純だし(そもそも方程式がない?)やや釣り味に欠けるイメージが強い魚だ。

だからチビアマゴであっても良型のイワナを食わせたとき以上のカタルシスを感じるのだ。

渓魚釣りにおいては、個体のサイズよりも釣り味に価値観の軸足を置いているからだろう。

他の釣りも同様だが。

 

 

ストレスレスで数釣りできてそれなりに楽しめたが、

唯一のデメは、アマゴにしてはあまり見栄えが良くない個体ばかりなこと。

ボヤけたパーマーク、あるにはあるが全く鮮やかではない朱点。

美人でなくてもせめて十人並みなら十分なのだが、はっきり言ってブス子なんだよな。

 

 

ただ餌が豊富なのか良く太っている個体が多かった。

チビデブ。

 

 

この日瀬に魚がついていたことも楽しめた要因だった。

やはり瀬釣りは楽しい。

サイズアップしてくれれば文句なしだったが願い叶わず。

 

 

瀬釣りでバギースピナーを使う理由はタイトエリアでショートタイムのアピール力があることと、テンションのオンオフに応じて減速させることが可能だから。

それはアップストリームの釣りが成立することを意味し、遡行の効率化にも寄与する。

アップの瀬釣りの場合、ルアーが速く流されてしまうため魚は追いつかないと判断して諦めてしまうことが多い。

バギースピナーは特徴的なブレードの働きで減速(実際には流下する速度のメリハリに過ぎないのだが)するから食い気を失わせない強みがある。

諦めずにルアーを追ってくれる理由は、追いつけそうに感じるからだろう。

捕食できる可能性が高いとなれば直ぐには諦めない。

 

 

渓のすぐ横の高くない場所に管理道路が走っており堰堤を巻くのは容易。

そして堰堤の上の渓相は最悪だ。

でも魚は居る(笑

沢山放流しているのだろう。

 

 

もしかしたら雨後だったことも食いっ気があった理由かも。

平水だったが少し濁りが入っていたからね。

 

 

退渓を予定していた第4堰堤の近くの渓相。

平瀬エリアからゴーロ帯になる。

先行者が居たようでこの辺りから反応が乏しくなった。

堰堤管理道路を歩いている時二人組の釣り師とすれ違ったのできっと彼らが先に遡行したのだろう。

渓相の悪い第2堰堤より下流は避けたようだ。

 

 

最後に釣れた個体。

この子も丸々と太っていた。

 


第4堰堤の少し上流の連続小滝エリアで止めた。

前回はここから上を遡行したのだが、崖の上にはヤマビルが沢山いるのでここから上に行くならヤマビル対策する必要がある。

高巻きの都度崖に登るからね。

 

さて禁漁間近だがそれまでにもう一度くらい早川水系に来るかもしれない。

一つだけやり残して心残りになっているエリアがあるので。