ホームリバーの稚鮎の遡上に拍車がかかる要因はいくつかある。
一般的には大潮周りが言われているが、もちろんそれも当てはまる。
加えて南西風が午後にビュービュー吹くと川面が逆流して上げ潮に連動する形で稚鮎がヘチをエスカレーター状態で遡上できるようになる。
大潮、南西風強、雨による適度な増水(ヘチが広がる)、
この3要素がたまたま重なった夕マズメに釣行した。
近年は早春にほとんど魚を見つけることができていない。
実際には遡上しているのだろうが、魚影が薄くなっている上に付き場が河川工事の影響で少なくなってしまったことで狙いづらくなっているからだ。
河原のほとんどない河川構造なのでキャストできるエリアが限られており、そこに魚が居ないと釣りにならない。
おそらくは人が立ち入れないエリアを転々としながら河川内を回遊していると思われる。
だからエントリーできるエリアに魚が入るタイミングを逃さないことが何より大事。
それが前述の条件ということなのだが、河の帝王カワウにとっても好都合であるため、やつらに荒らされる前に釣りをしなければならいから何かと忙しい。
カワウが群れで陣取っているエリアに他のフィッシュイーターはほぼ居ない。
要は駆逐されてしまうのだ。
「カワウが捕食しているからベイトがいる。よしチャンスだ。」
ではない。
カワウは警戒心が強いので人が近づけば逃げて行く。
先ずは連中を追い払うこと。
一旦は飛び去っても、名残惜しいのかすぐ戻ってくるので何度でも追い払う。
釣りができる環境を作ることからスタートする。
のんびり屋のアオサギは構わなくて良い。
まあ逃げて行くけどね。
カワウの居つくエリアはいずれ荒廃するので、集まりだしたタイミングで人間の存在を意識させる必要がある。
こういうことは本当は漁協がやるべきだと思うのだが組合員の高齢化や人足の問題で手が回らないようだ。
だからゴミ拾い同様、河に愛着を持っている者が率先してやれば良い。
増殖してしまったカワウは街中のカラス同様完全に環境に適応してしまっているのでいずれは人を恐れなくなる可能性がある。
「カワウごときにアユが食い尽くされるわけないじゃん 」
狩猟能力が高く大食漢のやつらのことを知らない人はそう思うだろう。
全国の漁協がどれほどカワウ問題で悩んでいることか。
ホームリバーからイナっ子やウグイが消えた(少なくなったという生易しいレベルではない)最大要因は間違いなくカワウの暴食だ。
河川工事による河全体的な土砂の堆積の影響も少なくないと思うが。
スズキを河に呼び込む唯一の要因になりつつある天然遡上アユ(晩秋のそれは放流アユの方だろう)がカワウに食われてしまったら何もなくなってしまう。
僕がホームリバーで釣りを始めた頃にカワウを見かけることはなかった。
いつ頃からかチラホラ現れ始め、あっという間に大増殖してしまった。
餌が豊富で(人間が放流して奴らに餌を与えてもいる)天敵がいないのだからそうなるわな。
話を戻す。
好条件ということでやはりスズキは居た。
初春に魚を見たのは何年振りだろう。
桜が咲くまで音沙汰ないのが恒例になっていたから。
阿修羅スリム改に出たこの子はいかにもフレッシュな上がりっぱなという感じだった。
その後もう1発出たがバレた。
FMAG14改をU字引きしていたら食ってきたのだが流れに乗られてしまいそのまま80m走られた。
陸っぱり支度で河に入れる装備ではなかったのでポジションを変えられずにモタモタしているうちにフックアウト。
良型だっただろうから獲りたかったが、まあスリルがあって楽しめたので良い。
春にドラグを出すほどの魚を掛けたのは久しぶりだしね。