CL敗退が決まった翌日、ユベントスはサッリの解任と後任としてピルロの就任をアナウンスした。
それを受けてのユベンティーニの反応は様々だ。
解任肯定派と否定派の比率は7:3という感じか。
3も無いかな?
1試合の結果で監督更迭するほどフロントはアホではない発言していたサッリだが、
裏を返せば予防線を張っていたわけであり、ご本人が何より自覚していたのだろう。
ホーム無観客は言い訳にならない。
リヨンをまったく慌てさせることができなかったのは事実。
ビジターにマイペースで試合を運ばれたのではCLの決戦感は伝わってこない。
イグアインの空気感ハンパなかったな。
前線のコンビネーションは例によって皆無。
可変3バックの相手に安安と守られてしまった。
2得点したと言ったって帳尻合わせのPKと何も無いところからのロナウドのゴラッソだし、相手守備を崩した回数何回あった?
重要な1試合にシーズン通して上手くいかなかった部分がもろに出てしまった。
誰でも分かりやすいほどに。
一番懸念された不安定な守備に関してはリヨンの守備意識が強かったため表面化しなかっただけ。
他の試合(シティ-レアル、バルサ-ナポリ、バイエルン-チェルシー)も全部フルマッチ観戦したが、ユーベ-リヨンが一番退屈な試合だった。
他の試合はガチではあってもエンタメ性を感じることができた。
バイエルンなんて機能美すら漂わせているもんな。
きちんと戦術が落とし込まれて選手が迷いなくそれを遂行している感。
隣の芝はマジで青かった。
サッリ先生には難し過ぎたのか?
多分アイデアは素晴らしいものを持っているのだろうが、手駒の特性がマッチしていなかった。
核になるプレーヤーを育成しきれなかった。
皆、帯に短し襷に長しだった。サッリにとって。
にしても、シーズンの最も重要な試合で上手くいかなかったことを無自覚に再現してしまったのはまずかった。
せめてロナウドと心中するくらいの腹の括り方が必要だったのでは?
戦術関係なく得点決めてくれるアタッカーなのだから。
中途半端なままシーズンが終わってしまった印象を上書きするだけの試合。
責任を取らされても文句言えないだろう。
サッリ、嫌いじゃなかったんだけどね。僕は。
アッレグリに比べると、肝が座っていないというか、意外とビビリなんだなというのが個人的なサッリ評。
プレッシャーに晒され続けた1年だったでしょう。ご苦労様。
難しい環境の中で望まない手駒で戦術を構築しなければならなかったことはタフなミッションだったはず。
頑固者のイメージだったけど悪い意味で柔軟に振る舞ったことが結局彼の良さをスポイルしたのかもしれない。
どうせ解任されるのなら頑固一徹でもよかったかもね。今更だけど。
ピルロの就任については驚き以外の言葉がない。
元レジェンドプレーヤーを監督に据えるのは一種トレンドではあるが。
現状誰もピルロを評価することができず、経験不足を懸念することしか。
ただ青年監督に対する期待が皆無ではない。
選手目線で選手と一緒に戦っているベンチ前の絵面にはなるのかな。
あるいは案外冷静に状況分析しつつ上手くマネージメントするかもしれない。
3年後にはジダンと同じようなステータスを手にしていることを期待しよう。
ロナウド不要論もあるようだが、今のユーベには彼は絶対必要。
ユーベは再建チームではないしサイクルの終焉を意識するタイプでもない。
高レベルで結果を出し続けなければならないことに変わりはないのだから、代替不可なロナウドの得点力を手放してはいけない。
コロナ禍でのマーケティング面での貢献も無視できない。
ロナウドには他のプレーヤーにはない高いモチベーションがある。
メッシのように政治力を悪い方向で使うこともない。
ロッカールームでのモチベーターには事欠かないユーベだが、プライベートを含めたプロフェッショナリズムの見本中の見本であるロナウドは他のプレーヤーへの影響を考えても重要なピースだ。
成長途上の若いプレーヤーの良い見本がなくなってはいけない。
デ・リフトやベンタンクールなどの今後ユーベを担っていくタレントの成長にも一役買っているはずだから。
経験不足の監督だからこそフィールド上には実績十分のベテランが必要だしね。
レアルでは自分は自分の仕事をするだけみたいな感じだったが、ユーベに来てからは試合中に声を出すようになりリーダーシップを発揮し始めている。
きっと彼もベテランなりに成長しているのだろう。
だからロナウドを手放してはダメだ。
ネクストシーズン開幕まであまり時間がない。
サッリが残した功績を活かしつつ元天才ミッドフィルダーの感性を織り交ぜた新しいユーベの姿が見れる日を楽しみに待ちたい。
ところでサッリがまたイタリアのライバルチームを率いるようになると嫌だな。
なんだかんだ敵にすると怖い人物なんだから。