Argentine Tortoise

アルゼンチントータス、チャコリクガメのことです。
日本の裏側、南米大陸のアルゼンチン、ボリビアパラグアイの草原地帯に生息しています。
かつて乱獲により生息数が激減してしまったため現地では保護の対象になっています。
CB個体に関しても国内では繁殖例はないためマーケットにはほとんど流通していないのが現状で、稀にヨーロッパ(ドイツでしょうか)やアルゼンチンやウルグアイからの輸入がある程度のようです。
ただ2,3年前にWC個体がマーケットに数ペア出てましたね。


どういうルートで日本に来たのやら。
買ってしまう日本人にも呆れるけど。
今でも生きているのでしょうか?
難しいのではないでしょうか、チャコのWCを維持するのは、
この種のことを多少なりとも知っていれば、野生種を一般の人が(スキルに自信があっても)過酷な輸送のダメージから回復させ、所謂立ち上げて健康に飼育し続けるなんてかなり困難なミッションだとわかるはずなのですが。

写真は「Turtle Conservancy」のサイトから失敬しました。野生のアルゼンチントータスです。
ペトラとは似て非なる感じですね。やはりCBはCBということ。野性味が全然違います。

「Turtle Conservancy」は野生のアルゼンチントータスを観察記録したビデオをダウンロード販売しています。
当然僕は買って何度も観ました。
野生のチャコリクガメについてお勉強できる動画は多分他にはないので僕にとっては貴重な情報になっています。

Turtle Conservancy

日本で発行されたリクガメ飼育書は基本的に室内飼育を前提にしていて、ケージのセッティングやら温度管理についてノウハウを書いているものが多いですが、海外は逆で、屋外飼育を推奨しています。
これは飼育する土地の問題もありますが、日本でも経験値の高いリクガメキーパーは屋外飼育を気候が許す限り実践していると思われます。
つまり屋外飼育が個体にとっては理想なのです。
ただ変温動物であるリクガメが日本のメリハリのある季節変化に適応するのは難しいのもまた事実。
チチュウカイリクガメ類であれば冬眠させるという手段もありますが、チャコリクガメは冬眠しません。
飼育書通りに環境を整えてやって、給餌や温度管理などをやれば、個体は健康で長生きするのか?
僕は無理だと思います。
個体差云々などとつまらない突っ込みは無用ですが、リクガメは一般的に活発に良く動き回る生き物だと思います。
それこそ一日に数キロの距離を歩くのではないでしょうか。
それを通気性の良くない水槽の中に閉じ込められていたら、尋常ではないストレスを与え続けることになるでしょう。
管理上止むをえないわけですが、問題意識も持とうとせず、環境的にどうしょうもないとか、自身のライフスタイル上どうしょうもないといったエクスキューズが幅をきかす趣味ではないです。レプタイルは。
数々のハードルをクリアした人だけが本来は許される間口の狭いホビーなのです。
僕はサラリーマンだったらリクガメは飼いません。無理だと思います。
だって野草採りに行けないし、日光浴が出来ないし、つまり飼育は無理です。
他人に任せるなんてそもそもあってはいけないですしね。

ぼくはペトラを家族の一員とか大事なペットとか、そういうふうにとらえたことはありません。
地球の裏側に生息している希少な生物を日々観察する貴重な機会を得ていて、生息環境とのギャップを工夫、試行錯誤で埋めることに責務を感じてているというだけです。
なんか仕事みたいですが、結構気負ってリクガメ飼育をしているんですよ。
そんなに気軽に飼えるペットではないです。リクガメは。