ビクトル・テラサス vs.レオ・サンタクルス

Date: 2013-08-24
Where: StubHub Center, Carson, California, USA
Division: super bantamweight (122 lbs, 55.3 kg)
Title: WBC super bantamweight title
Victor Terrazas (37-2-1, 21 KOs)
    vs
Leo Santa Cruz (24-0-1, 14 KOs)


レオ・サンタクルスのフォームやスタイルを見ていると約30年前のバンタム級タイトルホルダー、リッチー・サンドバルとイメージがダブります。
強豪ジェフ・チャンドラー(村田英二郎に2勝1分)に勝った試合が印象に残っているファイターです。
上体を張ったややぎこちないフォームでグイグイ前に出てきてポンポン手が出る。
パンチはそれほどでもないのですが、身体のバネと撓りを生かしているので恐らく疲れにくいのでしょうノンストップラッシュで攻めきってしまうスタイルでした。
顎を糊付したようにガッチリ引いてガードは高くしたまま絶対下げない。
カウンターは取れないけど逆にもらいもしない。
“打たせずに打つ”ための理にかなったスタイルなのかもしれませんが、ブロッキングしている時間を短くできるかどうか(つまりペースを掌握できるかどうか)が試合の出来を左右する単純な側面があります。
サンドバルもサンタクルスもハイテンションで試合に入り自分のペースを掴むことに全力を傾ける。
これが上手くいかないと、後から劣勢を挽回するのはおそらく大変なはず。
一発がないですからね。
テラサス戦はサンタクルスのこの戦略が見事にはまったケース。
ただ今後ステイタスアップを図るのならもう少しメリハリを付けたオフェンスをしないとやがて強豪と対戦したときに跳ね返されますよ。
あるいはカウンター狙いの一発屋(ハードヒッター)には今のような単調なリズムで戦っていると痛い目にあわされそうな気がするんですよね。
ハードワークするボクサーにダメだしするのはなんですが期待の裏返しということで。

http://boxrec.com/list_bouts.php?human_id=44353&cat=boxer

http://boxrec.com/list_bouts.php?cat=boxer&human_id=44766

チャンドラー vs.サンドバル
スタイルは似ていますがサンタクルスの方が大柄で懐が深いかな。
要は少し引いて相手を誘い込む戦術もあればいいのではないかと。

サンドバル vs.カニザレス
この試合がサンドバルのキャリア唯一の黒星にして壮絶なノックアウト。
因にチャンドラーはカニザレスに勝っています。
チャンドラーはサンドバルのようなラッシングパワーはないですが、戦術に柔軟性があるためカニザレスの強打に対応できるんです。
面白いですよね。