Date: 2016-11-19
Where: T-Mobile Arena, Las Vegas, Nevada, USA
Division: light heavyweight (175 lbs, 79.4 kg)
Title: WBA, IBF and WBO World light heavyweight titles
Result: Andre Ward def. Sergey Kovalev (unanimous decision, 114-113, 114-113, 114-113/Submission at 2:58, round x)
マッチアップ:★★★★★
スリル:★★★
スキル:★★★★
印象度:★★★★
試合のオープニングルーティンを観ていて、今更ながら気付いた。
米ソマッチアップなんだなと。
国家を歌うお姉様方の本気度が凄かった。
良くある歌唱力をひけらかす感じではなく、
「相手には負けねーぞ」と。
なるほど試合もガチンコオブガチンコという感じでテンション高かったですね。
序盤に痛烈なダウン食ったウォードがあそこまで頑張って盛り返したのは、
「負けられねー」という意地がね。
半端ではなかったのだろう。
何が言いたいのかというと、
精神力の戦いだったなと。
コバレフがその戦いに負けたわけではないのだけど、
ただ後半やや押されていたのはウォードの不屈のメンタルにたじろいでいた感がね。
それがポイントに影響したかどうかは、なんとも言えないけど。
ロングレンジが自分の家のコバレフ、
ショートレンジで活路を見出したいウォードと誰もが考えるマッチアップ構図だったのだけど、
その辺りの問題解決に知恵をより絞ったのはウォードだったような気がする。
否、狡猾だったと言いなおす。
クリンチというスキル。
残念なのだけど、この試合のキーワードはこれ。
ウォードはクリンチを上手く使ったと思う。
コバレフはこれを予想してウォードのクリンチ戦術対策を準備していたようだが、
ウォードはその上を行っていた。
クリンチで当然距離を詰められるので、コバレフのオフェンスエリアから脱出できるのと同時に自身のオフェンスを発動するきっかけになっていた。
クリンチ合戦の中でコバレフのボディを効果的に叩いていた。
地味ーに効いていてコバレフの後半の失速の一因だったように思う。
それとクリンチの離れ際に左フックを当てていた。
唯一当たっていたとも言えるウォードの効果的なパンチだ。
あとはジャブくらいしか当てていなかったのだから。
手数をまとめてウォードが攻め込むシーンはほとんどなかったのだからそういうこと。
どっちがウィナーコールを受けてもおかしくないクロスファイトではあったけど、
コバレフの地力というか戦闘能力の高さが際立ち、
それに上手く対処したウォードのボクシングIQの高さに感心した。
そんな試合でした。