河川でのプラッキングはアップストリームアプローチがスタンダードだ。
異論は認めない。
逆にダウンストリームアプローチにメリットはないのか?
メリットはある。
流れに逆行してプラグが移動するので生命感(あるいは目立つ異物感)を醸す。
ゴミなどの漂流物はそういった動き方をしないのでターゲットに注目される可能性はある。
ただそれだけだ。
昨今のプラグはダウンストリームで引きやすいようリップレス仕様にしていることが多く、流れに逆らうよう引いても抵抗感が少ない。
ダウンによる強い水流を受け逃すヘッドパート構造のためスリップしたりスライドしたりインパクトのある奇抜な動き方をしたりもする。
実際逆引きで簡単に釣れることはある。
特にナマズには強烈に効くアプローチだ。
何度か釣果を経験すると再現性があると誤認しダウンが癖になってしまうアングラーもいるだろう。
が、邪道であると知った上で、立ち位置とピンの関係でどうしてもダウンストリームにならざるを得ない状況のみやる程度に留めたい。
ダウンの釣りが癖になると筋が悪くなる一方でスキルアップを妨げてしまうからだ。
つまり特定の現場で特定の状況でしか釣果を上げられなくなってしまう。
あと、クロスストリーム(正面へのキャスト)も結局はダウンと一緒。
橋脚の明暗シチュエーションはそれになることが多い。
立ち位置下流側でのプレゼンなのでどうしても単調になりがち。
釣りやすいのは確かだが、僕は直ぐ飽きてしまう。
キャッチの画像はTKR130を改造したもの。
このプラグの最大の特徴(強み)であるスライドアクションを殺してただのウォブラーにしている。
スライドさせたくないので大型の顎を後付けしてヨタヨタウォブリングアクション(微妙な揺れが加わる)する個体に変えた。
まあちょっと動きの悪いウェイクベイトという感じ。
何故こんなことしたかというと、アップストリーム専用にしたかったから。
デフォルトはダウンストリームで強みを発揮する特徴があるため使い勝手が悪くお蔵入りしてしまっていた。
最近書いたことと大分矛盾しているけど、フィールドの状態が今ほどは悪くなかったからご勘弁。
まだトップへの未練タラタラだったようだ。
アップストリームアプローチは工夫次第で戦術にバリエーションを持たすことができ、それは単調なダウンストリームアプローチの比ではない。
多様なアプローチができることが最大のメリットなのだ。
つまり引き出しが多いということ。
アップの方が釣りやすいということではない。
慣れたホームフィールドでは数投無反応だと魚が居ない(居ても低活性でプラグを追わない)とサッサと見切りをつけてしまう事はありがちだ。
僕のように時間に制限があると尚更。
短時間釣行で効率性を重視しなければならないのであれば同じアプローチを単調に繰り返すのではなく、過去の経験に基づいてその時その場で有効なメソッドを探るスタンスが重要だ。
過去の経験。
ほっちゃれでも釣れた時があったこと、
ただ引きで釣れた時があったこと、
ロッドワークでプラグの挙動にメリハリ出した時に釣れた時があったこと。
先入観に囚われるのはダメだが、意思決定の根拠にはなる。
成功体験を引き摺った決めつけ(盲信)をしなければ良いのだ。
着水点(その後の軌道)の選択肢は複数あるわけだから状況を読んで優先順位を付けて、A→B→C→Dと決めたらさらに数種類のメソッドを組み合わせることで掛け算でパターンが増える。
それを決めた時間内でやり切る。ハイシーズンは水面変化を読み取りながらね。
変化があれば戦術変更し最大チャンスをものにするための一手を打つ。
これにプラグのローテーションまで加えてしまうとパターンが多過ぎて時間オーバーになってしまう。
だから僕はプラグはあまり変えない。
同じプラグのカラーを変えて試すなどナンセンスでしかない。
そんなことをする意味が解らないし時間もないのである。
トゥイッチメソッドだけでもリズムや強度を変化させるだけで見せ方を大きく変えることで探り方にバリエーションを持たせることができるし、
プラグの流れる速度をテンションインとアウトを切り替えることにより変化させることでアクセントを与えられる。
そんなに繊細なスキルではないので誰にでもできるはずだ。