今回の釣行のテーマは二つ。
一つはテンカラの練習。(結果は求めない)
もう一つはバギースピナーの最終試験だ。
テンカラに関しては自分のものにするまでまだまだ時間がかかりそう。
それとスローな上に結果を伴わない釣りのペースが現状掴めていないので先ずは慣れることだ。
ルアーからテンカラへの切り替えをスムーズにすること。
できるだけストレスを減らすように工夫しつつね。
延べ竿を出したり仕舞ったりすることをスピーディーにするにはやはり慣れと工夫が必要だ。
今はまだその試行錯誤段階。
毛ばりを食わすためにどうするかはネクストレベルになってから考える。
土曜日は本流筋の支流に入った。
高低差があり遡行がやや大変な川で以前は敬遠していたが今はどうってことない。
今回から地下足袋(ノーマルのゴム底)を使ってみたのだが。
いやいや滑る滑る。
こえ〜。
ただ足指の感覚がフルに使えることで(普通の靴とはそこが違う)接地面から得られる情報量が多い。
「やばい!滑る。」
と脳が判断するスピードが普通の靴より早いのでギリ対処できるのだ。
だから案外なんとかなる。
慣れればもっと楽になるかな。
ただトルクの太い流芯越えの渡川は嫌だな。
転倒しそうでビビる。
小渓流というわけではないのだが頭上は木の枝びっしり。
テンカラロッド振れる場所は少なかった。
テンカラ投入タイミングを気にしているとペースが乱れるので考えないようにした。
中流〜源流までの遡行だが結構なボリュームがある。
堰堤や滝の高巻きはそれほど大変ではないが、倒木と蜘蛛の巣が進行を妨げる。
特に蜘蛛の巣がハンパない。
ほぼキャストするところに蜘蛛の巣ありだ。
嫌になってしまうよ。
この日よく見かけたヒキガエル。
巨大で恐れ知らず(天敵居ないのかな?)なため逃げないから気付かずに踏みそうになる。
観察しているとユーモラスな動作に癒されるけどね。
因みに激流の中を普通に泳ぎます。
地上では超スローなので想像しにくいけどね。
なんかペンギンやアザラシ的。
この滝の上を終点にした。
小一時間くらい魚影を見ていなかったしタイムリミットが迫っていたから止めた。
前回のような源流にポツンと潜む良型の一発に期待していたんだけどね。
そう上手くはいきません。
例によってチビばかり沢山釣れるので途中で嫌気がさした。
梅雨入りしてからアングラーがほとんど入っていなかったのかも。
蜘蛛の巣びっしりでキャストできないポイントを見送っても十分釣れた。
この遡行しにくさと異常に多い蜘蛛の巣がポイントと魚を守っているのだろう。
この川のアマゴの特徴は朱点がほぼないこと。(よーく見るとあるにはある)
正直あまり見栄えがよろしくない。
ホームリバー水系ではこの川の魚だけこんな感じ。
「ヤマメ?」
最初そう思ったくらい。
日曜日は里川支流に入った。
ホームリバー水系ではもっとも人気のある支流だが、この日他の人を見かけなかった。
なるほど水量がまだ多い。
前回の大雨の影響がまだ残っているのに驚いた。
つまり先週までは水が多くて釣りにならなかったのだろう。
この川は低山帯を流れているので流速が比較的遅く滝もない。
そして僕の大好物の瀬が多い。
ただこの日のように水量が多いとメッチャ遡行しにくい。
入渓してしばらく魚影がなく、
「早朝からのピーカン天気が影響しているのかな 」
と思いシェードを中心にアプローチしてみたら出てくれた。
瀬では無双できるアスリート55S FH改に元気一杯襲いかかった太めの8寸。
この川では十分良型だ。
やはりシェードに魚が溜まっていた。
8時くらいまではそんな感じ。
一つのエリアで7匹も釣れたときもあった。
そこは竹やぶが川の上に覆いかぶさっていた日陰の瀬だったので魚が集まっていたのだろう。
スレずに釣れ続いたのには流石に驚いた。
で、僕がやりたかったこと、
バギースピナーを瀬で試してみることに。
こんな感じの瀬で普通スピナーは使わない。
根掛かりしちゃうからね。
それと物理的な比重の関係でどうしても直線的なアプローチになるためスラローム軌道での探索ができないからだ。
普通はフローティングミノーを流れに乗せつつ石の周囲をグルグルと回しながらのアプローチを試みる。
プラグが沈まないし水を掴んだリップがファーストコンタクトして障害物にフックが掛かることを防いでくれるため根掛かりもほとんどしない。
瀬でフローティングミノーを使うことは理にかなっているのだ。
しかも面白くてよく釣れる。
僕が渓流釣りで一番好むシチュエーションだ。
だから里川大好き。
山岳渓流は遡行と魚探しは楽しいけど案外単調なんだアプローチ自体は。
こういうエリアでどうやってスピナーを使うのか。
ロケーションを俯瞰した際、漠然と面で見るのではなく点と点をつなぎ合わせた線をイメージする。
もちろん直線ではなく屈曲した線だ。
線を曲げる部分をどうするか?
流れを複雑に方向付けしている石をパイロンに見立てれば良い。
フローティングミノーであれば流れが勝手にプラグの方向づけをしてくれる。
だから石を回す時はテンションを緩める。
石を回れたらテンション入れる。
そのリズムだ。
スピナーの場合はその逆。
曲げる時にテンションを入れる。
するとブレードが水を掴み回転して水流に対する抵抗が生まれる。
この状態で流れに乗れるのだ。
ブレードが水受けしてブレーキが掛かりつつ瞬間的にわずかに流れに同期する。
でまたテンション微妙に緩めると同期が解かれて方向付けできるようになる。
このテンション入力の調整によって屈曲した線でスピナーを引いてこれる。
フローティングミノーほどスムーズに石を回せないが直線的で単調なアプローチではないのは確かだ。
そして発見した。
瀬でスピナーを使う際の強みを。
流れの複雑な石ゴロゴロの瀬で魚がどこにいるのか、どこで食ってくるのかを文章にすると陳腐だし誤解を生むので避けるが、つまりは今まで届かなかった痒いところに手が届いたのだ。
「あっ!そこで食うんだ。」
今までの僕のイメージにはないピンでこの日何度も(つまり再現性があった)食ってきたのだ。
バギースピナーで。
ということで合格。
まあネガがないわけではないが今後バギースピナーの僕の中での位置付けはCD3やアスリート55S FHと同等。
この3つは徹底的に使い込んで自分の中でキャラを消化できている。
そして特定のシチュエーションに特化しているわけではなく、3つともそこそこの汎用性を持つこともわかっている。
だから1つのプラグを繋ぎっぱでも終日釣りになるのだ。
アングラーが飽きさえしなければ。
で、バギースピナーを多用するかどうかはなんとも言えないが、それなりに面白く使えるし信頼性も高い。
工夫された有用な機能も備えていることもわかった。
スミス社の人気のあれとは真逆に近いコンセプトだと思うが、使ってみる価値があると自信を持って言えるかな。
特に僕のようにスピナーをバカにしていた変態釣り師にはオススメ。
先入観を壊してくれると思う。
使い始めて日が浅いけど200匹近く渓魚を連れてきているので実力は十分証明しているのでないか。
バギースピナーのネガについて。
タングステンビースの穴の直径がそれを通しているボディアイ(針金)に比して大きすぎるため先端の結び部に嵌り込んで固定されてしまうこと。
本来移動するビーズが固定されてしまうことで着水後も後ろ(フック側)重心が変わらず、
ブレードの回転に影響が出てしまいます。(水受け抵抗がやや弱くなる)
対策として上のようにボディアイに針金を二重に巻きつけ先端を開いてビーズの穴に嵌り込まないようにしている。
タングステンビーズが可動するため重心移動の仕組みが常に働き、リトリーブ時ブレード側にウェイトが戻り水受けが良くなるし、逆にテンション抜いた時に重心がまた変わり水受けの圧に変化が生まれて前述の瀬でのアプローチを実現できる。