さて週末の渓魚釣り。
先週の大雨による増水の影響も消えて現場はほぼ平水どクリアウォーター。
梅雨明けが近いのか久しぶりの晴天で気温も上がりウェットスタイルでの遡行は気持ちの良いものだった。
釣りは楽しかったし沢山釣れたが、またしてもテンカラでの釣果はお預けとなった。
延べ竿にようやく慣れてきて、それなりにキャストは決まるようになったし、毛バリも上手く流せているはずなのだが何故かダメ。
土曜日は本流筋の名も無き支流に入った。
比較的頭上が開けている(覆いかぶさる木の枝のボリューム少)からテンカラ向きかなと。
そろそろテンカラでの初釣果を期待しての現場チョイスだったのだが結果はゼロ助。
毛バリを流しても無反応なので、魚居ないのかな?とその確認のためにルアー投げたら普通に釣れた。
それの繰り返し。
どうも僕は勘違いしているのかな。
プラグで誘いきれない魚を毛バリでなんとか口使わすイメージだったのだが。
例えばバス釣りでハードベイトが通用しない状況でソフトベイトでネチネチやるみたいな。
なんか違うみたい。
まあテンカラビギナーとしてのファーストインプレッションなのでチープに受け取られて結構だが。
現状ルアーの方が圧倒的に釣りやすいのは確か。
ただテンカラがはまる状況がなかったわけではなく、タイトプールで1回だけヒットしたことがあった。
それはほぼ釣果といってよかったと思うが、
取り込みでもたついて(運が良いのか悪いのか尺クラスの良型がかかってしまい寄せられなくて右往左往)ラインが頭上の木の枝に絡まり、
それがなんとか取れたら今度はハリスがブッシュに絡まりと目の前の魚を獲れずもたもたしていたらフックアウトしてナチュラルリリース。
悔しくてしばらく呆然としてしまった。
「やっとテンカラで釣れたと思ったのに!!しかも良型。」
延べ竿の取り込みの仕方がわからなかった。
ルアーロッドしか使ったことがなかったからね。
ガランと開けた場所ならそれでもなんとかなっただろうが、よく毛バリを送り込めたなと感心するようなカバーだらけのムズい場所だったのだ。
だから良型が掛かったのだろう。
そういうところに居るもの。
早期にモノにしようと思ってテンカラにチャレンジしているが、あまりそこに拘るとペースが乱れ良い釣りができないことは学習できた。
だから頭を切り替え、あくまでルアー釣りがレギュラー、テンカラはガベージ要員(バスケの試合で点差がついた終盤に主力を休ませるためにベンチプレーヤーを出すあれ)的ポジションにしようと。
ルアーで釣りまくって気持ちに余裕が出たらテンカラやるみたいな感じ。
今はテンカラメインだと自分の釣りが崩れちゃう。
もっと延べ竿の釣りに慣れて毛ばりの強みも理解できたらテンカラでアプローチする割合を増やすか、ここぞというシチュエーションでワンポイント的にチェンジすれば良い。
下手すぎて今のところ余裕無さ過ぎなのだ。
もっと簡単に釣れると思っていたが、甘かった。
正確には、渓流での延べ竿での釣りを舐めていた。
ということで毛ばりの出番を減らし(あのスローな釣り自体もしかしたら僕は苦手かも)ルアー釣りメインにしてからは順調に釣果を伸ばした。
サイズ的には7寸止まりとあまり恵まれなかったけど数は出た。
18cm前後がほとんど。
ルアーはほぼバギースピナーを繋ぎっぱ。
ポテンシャル確認中ということもあり絶対的に信用できるようになるまで使い込むのが僕の流儀。
このまま試用期間パスして、アスリート55S FH、CD3に次ぐサードオプションになる可能性は大だ。
時間の許す限り(退渓のために戻る時間も考慮して)源流を登っていった。
魚影の確認できる最上流を目指すというより、単純に行ける所まで行ってみようと。
こんなとこ魚居ないのわかっているのだけど好奇心に突き動かされてしまう。
「あの上はどんな渓相なのかな?」
そう思うだけで自然と足が動いてしまう。
日曜は本流の源流域に行った。
テンカラの用意もしたが釣果なし。
前日はわずかとはいえ魚を誘えていたがこの日はガン無視された。
見事に振られて逆に清々しいくらいだった。
サクッと見切りをつけられたからね。
もう割り切ってルアーで釣りまくった。
早朝からテンポ良く遡行できたこともあり50は超えただろう。
そのほぼ全てをバギースピナーが連れてきた。
以前ARスピナーで爆釣したこともあるので単純にスピナーが嵌る現場なのだろう。
サイズは18cmくらいがアベレージかな。
手応え的に明らかに小さすぎる感じの時はフッキングしないよう合わせを入れなかった。
運悪く掛かってしまうと面倒くさいし可哀想だから。
100匹釣る意味はない。
スピナーだしね。
この時期の遡行は気持ち良いね。
地下足袋(フェルト底)は思いのほか歩きやすい。
クッションがないので足裏が疲れやすいが。
上のような滑り台状の地形を登る時は特に地下足袋のメリットを実感できた。
もう少し慣れたら普通の地下足袋(ゴム底)に切り替えよう。
まだ滑りそうで怖い。
水の中に入らなければ問題ないのだけど。
川底の苔の乗った石がね。
ゴムでは滑って対処できない。
あと濡れた苔むした岩をよじ登る時とか、怖そう。
この日も源流をひたすら遡っていった。
帰りの心配をしつつも行けるところまで行こうと。
途中から魚影がほとんどなくなったが気にしなかった。
今までは魚っ気がなくなったら引き返したのだが。
もうほとんど水量がなくなってもその上流で復活したりするので面白い。
結局湧き水の流れ込みがあるからね。
小さな滝が連続してあるので高巻きがちょっとしんどい。
登った上に何があるわけでもないのだけど、足が止まらないから行ってしまう。
「そろそろ引き返さないと帰りが心配だ 。」
そう思い始めてから一時間は遡行してしまった。
そして最後にドラマが。
まあ9寸ちょいなんだけどね。
それでもこの野性味と独特なパーマークが強烈な印象の子だった。
尾びれが欠損していて完璧なシルエットではなかったが、そんなことはどうでも良いと思えるくらい野性味抜群でちょっとゴールドがかった体色だった。
「うわっ!なんだこいつ。」
しばらく見とれたよ。
おそらく最上流にポツンと潜んでいた個体なのでは。
孤高な感じでかっこ良かった。
いやー、釣れてくれてありがとう。
久しぶりにそう思える魚に出会えました。