Date: 2017-09-09
Where: StubHub Center, Carson, California, USA
Division: super flyweight (115 lbs, 52.2 kg)
Title: WBC World Super Flyweight title
マッチアップ:★★★
スリル:★★★★
スキル:★★★
印象度:★★★★
シーサケットのキャリアを確認してみる。
デビュー戦は八重樫東にKO負け。
5戦して1勝3敗1分。
その7年後にロマゴンに連勝するのだから(しかも米国のリングで)ボクシングというのはほんと面白いとしか言いようがない。
メキシコあたりにはこんなファイター時々現れる。
オーランド・サリドとか。
ただサリドもそうだが比較的知名度のある相手に負け続けながら次第に地力を付けていき、気付けば強豪の仲間入りしているというパターンが多い。
シーサケットはほとんどタイ国内でイージーな相手ばかりを倒しまくって戦績を盛り飾ってきただけの数字は凄いが知名度は低いローカルファイターに過ぎなかったはず。
こいつ本当に強いのか?
先ずサウスポーである。
パンチはそこそこある。
耐久力もある方かもしれない。
ロマゴンのパンチ食ってもケロっとしているのだから。
体自体の力(体幹の強さ)はありそうだ。
今日の試合の内容をどう見るか?
だって圧勝(初回からフィニッシュまでほぼ相手を圧倒していた)だもの。
サウスポー故の右フックの怖さを見せつけたのは確かだ。
サウスポーのファイターの多くは半身に構えるので(シーサケットもそうだ)右肩の位置がオーソドックスのマッチアップ相手より相対的に近い。
相手の体(顔面)に近いという意味ね。
特にロマゴンのようなボディワークを多用する好戦的なファイタータイプの場合は顕著だ。
その場合相手の右に対して右フックでカウンターが取りやすい位置関係になる。
サウスポーの右フッカーはそのメリットを理解しているからこそ有効な戦術として右フックでカウンターを狙う。
ロベルト・デュランがロビー・シムズに負けた試合がわかりやすく参考になる。
あまりカウンターを食わないデュランがサウスポーのシムズの右フックを貰ってバランスを崩すシーンが何度かあった。
好戦的なファイタータイプとしての完成形であるデュランとロマゴンってディフェンスルーティンが似ているよね。
ロマゴンにとってシーサケットは相性が悪かったのかもしれない。
まあ結果論かもしれないけど。
母国の偉大な先輩、アルゲリョがリズムアップされたボクシングをするプライヤーに相性の悪さを露呈して連敗したことを思い出してしまった。