35歳のメイウェザー

メイウェザーがキャリアをスタートしたときのクラスは130ポンドリミットで当時は19歳のプリティボーイ(ニックネーム通り)でした。昨日のコット戦は154ポンドリミット(前日計量では151ポンド)で戦ったわけですから24ポンド(約10.8kg)ウェイトを上げているわけです。
複数階級でメジャータイトルを獲得してきたことよりも、ボクシングのスタイルをほとんど変えずにウェイトを上げて戦っていることが驚きです。
つまり35歳の今でも若い時のボクシングができているということです。
2007年に2試合していますが、以降、2008年は試合せず、2009年から年間1試合のペースで試合をしています。


つまり30歳を過ぎてからは年間1試合ということです。
試合が決まり本格的なトレーニングに入ってから実際の試合まで3ヶ月くらいでしょうかね。つまりハードな3ヶ月と9ヶ月の休養とういうサイクルを繰りかえしている感じでしょうか。もちろん9ヶ月まったくトレーニングしていないわけではないでしょうけど。
もともとほとんど打たれていないので、しかも試合だけでなくスパーリングも含めてでしょうから、所謂体にダメージをほとんど蓄積していないうえにメンタル的な疲弊も上手く回避しているのではないでしょうか。
でなければ35歳であの戦い方はできないはずです。
35歳のコットが昨日と同じ戦い方が出来るか想像してみます。
多分無理でしょう。
かつてシュガー・レイ・レナードが長いブランク後の試合で出来の悪さ(全盛期には程遠いコンディション故)を露呈していたのを思い出します。
ハグラー戦は確かに勝ちましたが、あと2ラウンドあったら倒されていたでしょう。終盤はアップアップでしたからね。
メイはボクサーとしてのセルフマネジメント能力が高いのでしょうけど、能力を維持することの難しさを誰よりもよく知っているのではないでしょうか。
パッキャオのドーピングに対する疑念を隠そうとしないのは、パッキャオが年をとり体重を上げているにも拘らず、よりスピードが増し、より力強くなっていることが、自身の体験上ありえないこと(能力をキープしているだけでも恐ろしく大変で難しいことなのに)だと思っているのでしょうね。
だからランダム検査でシロだと証明しろとしつこく繰り返しているのでしょう。
どんなスーパーボクサーでも年齢と共に衰えます。
特にスピード、反射神経の鋭さが重要な中量級以下のクラスでは全盛期はそう長くは続きませんし、キャリア晩年は試合運びの上手さ、駆け引き、カウンターを取るなどの一芸により、勝利を手繰り寄せるようなスタイルに変わるのが普通です。

年間1試合スケジュールのメイウェザーは今年はもう試合しないでしょうから、来年の状況しだいではパッキャオ戦はあるかもしれませんね。
加齢による衰えとの戦いにも勝利しているメイとパッキャオがどんな試合をするのか。
パッキャオは6月に老獪でスピードのあるブラッドリーと試合しますが、さて、メイのように衰えを見せずにブラッドリーを圧倒できるでしょうか。