Saturday 27, November 2021
Madison Square Garden Theater, New York, New York, USA
Commission New York State Athletic Commission
Promoter Eddie Hearn
Inspector Matthew Delaglio
Media DAZN
マッチアップ:★★
スリル:★★★スキル:★★
印象度:★★★
最終ラウンド終了後、リングアナがスコアカードを読み上げてロペスの敗戦がわかった瞬間に思い浮かんだ過去の試合がこれ。
BoxRec Roberto Duran vs. Esteban De Jesus ( 1st meeting )
デュラン-デ・ヘススの第1戦だ。
同じライトウェイトバウト、そして同じニューヨークMSGでの試合、
高評価の無敗タイトルホルダーがアップセットで初黒星を付けられたということ、
そしてファーストラウンドに一発食ってダウンを奪われたことなど共通点が多い。
ただ、デュランとロペスを同列で語る気は1ミリもない。
なんというかアンダードッグ故の気概というか、どアウェイ(ロペスはニューヨーク ブルックリン出身)でも一切気押されることのない鋼のメンタルを携えて乗り込んできた感が印象に残ったのだ。
約50年前のデ・ヘススの心情も推して知るべし。
「絶対食ってやる。」
交通事故後の酷いコンディションではあったにせよ当時のデュランからダウンを奪って勝ち切ることはミッションインポッシブルと言えるハードルの高さだったはず。
ただあの敗戦があったからその後にデュランは栄光のキャリアを築けたとも。
まあデュランは余人には理解不能な精神構造の持ち主なのであんまり関係ないかな(笑)
さて試合自体はクロスファイトではあったが、序盤〜中盤にかけてペースを取られ続けたのはロペスのブランクの影響があったかも。
彼にエクスキューズがあるとしたらそれか。
ダウン食ったけど案外打たれ強いとは思った。
頑強な肉体でパンチに耐えるというかはねつける感じ。
首も強そう。
マイク・タイソンタイプか?
カンボソスが柔軟に衝撃を去なすのとは対照的。
ロペスにフォーカスすると、ブランクの影響、単調なオフェンス、相手にパンチが無いからといって舐めてディフェンスサボり過ぎなど敗因だらけだったかなと。
オフィシャルスコアは正当だと思う。
ただジャッジ2人が1Rを10-9にしているのが意外だったが。
それにしてもカンボソスよく勝ったな。
大番狂わせであったことは確かだ。
ただ、うーん、凡庸なファイターだとは思わないけどタレント的に大したインパクトを感じないのでこれからのキャリアマネジメントが逆に難しそうだ。
スピードとスキルのある黒人ファイターに通用するかな?
ロペス戦が天井でなければ良いが。
デ・ヘススはノンタイトル戦でデュランに勝利後レイ・ランプキンやアルフォンス・フレーザーに勝ってステイタスを保ち、いよいよデュランのタイトルに挑んだが今度は返り討ちにあってしまう。
さらに翌年アントニオ・セルバンテスのタイトルに挑むが完敗。
その翌年ガッツ石松からついにタイトルを奪うことができた。
連敗しても3年連続でメジャータイトル挑戦のチャンスを得ているあたり評価の高さをうかがえる。
やはりデュランから白星を挙げていることが大きな勲章になっていたのであろう。
ラストファイトは1980年のソウル・マンビー戦(メジャータイトルマッチ)だからデュランとの初戦から8年間トップレベルを維持していたことになる。
ジャンキー(薬中)だったことは有名で1989年37歳の若さでエイズ死した。
入院していたデ・ヘススをデュランが見舞いに赴き、病床の彼を抱きしめた話が逸話として残っている。
そのシーンは昔写真で見た記憶があるので検索すれば見つけられると思う。