以前書いたこれの続きを。中途半端に終わっていたのを忘れてました。
まあ精神論に終始しているのですが、スズキ釣りの戦略的な意味合いで書いたつもり。
つまりブレないスタンスというか。
くだけた表現を使うなら、
「釣りの楽しみ方」
「自分は〇〇な魚を釣った」ではなく、
「自分は〇〇で魚を釣った」と言いたい。
結果よりもプロセスを重視するという意味。本来的にね。
メーカーの仕掛けるプロモーションに踊らされているだけだと薄っぺらいものが多いから飽きちゃうでしょ。
釣果主義に陥りがちだし。
釣れない ⇒ 楽しくない ⇒ 釣りに行かなくなる
そしてやめるでしょ。やめていただいて結構ですけど。
僕はソルトルアーの業界が不況になろうが衰退しようが撤退しようが、何も困りませんし、どうでもいい。
メインストリーム(つまり売れ筋)にはノータッチなので。関心もありません。
釣りの楽しみ方はフィールドで遊んでいるうちに自然に培ったもの。
誰かに教えられたわけでも、ベンチマークの対象があったわけでもない。
遊びのツール(タックル)は自分が使いやすい(都合の良い)ものを明確な根拠に基づいて探索し、無いものは自分で作ったり改造したりして現場で試し、改良しながらアジャストを図る。
それもまた釣りの楽しみの一部。
あー、また精神論になりつつあるな、今回のテーマは戦略ではなく戦術の方。
このままだと高飛車なだけですもんね。具体的なことも書かないと。
トップの釣りのタクティクスについて自分也の考えなどを。
大学生の息子は今ではいっしょに釣りにいくことはなくなりましたが、小学生の頃はよく現場に連れて行きました。
7歳〜10歳の頃。その後は釣りに無関心って感じ。
凝り性でないので飽きちゃったのかな。
僕は息子にトップしか使わせませんでした。
別に強制したわけではないのですが、彼は自分の意志でスプラシャー(ハンドメイドの方)を引倒してました。
ルアーローテーションを知らないこともありますが、単純に彼のお気に入りで最も信頼を置いたプラグだったのです。
単純な発想、単純なアプローチでしたが、結構釣ってましたよ。
僕はノーバイトで息子だけ釣れたときも何度かありました。
正に信じるものは救われる。
迷い無く自信を持って1つのアプローチに拘る強さを見せつけられた。10歳の子供に。
このことが僕がトップに拘るきっかけの1つになっているのは確かです。
「たいしたスキルもなくスプラッシャー引いているだけでもスズキって釣れるな。」
息子の釣果を目の当たりにしながらそう刷り込まれたんです。10年前に。
そのことがトップのハードルを一気に下げさせた。
つまり軸になるプラグを見つけることができればトップの釣りを成立させることができるとわかったんです。
それが僕にはとってはスプラッシャーだったということ。
ポイントは、フィールドにマッチしていたということ。
そう、トップの釣りを当たり前のように実践出来るかどうかはフィールドのことを熟知しているかどうかにかかっている。
一般論ではなく、フィールドの属性から得た発想であるかどうか。
「スプラッシャーってそんなに釣れるんですか?」
昔、良く訊かれましたよ。
一般論から言えば、条件のあった時にしか釣れないシチュエーション限定プラグです。
だから答えようがない。
僕がサイトに書いていたことは一般論ではなく自分にしか通用しない事象にすぎなかった。
軸になるプラグを見つけること。
当たり前のことを書いてますが、これが何よりも大事だと思っています。
そして軸になるプラグから枝葉を分けるようにカテゴリーをクロスオーバーさせていくんです。
その際、カテゴリーの境界線を曖昧にすること。ドラスティックに変えないということ。
共通点を保持したまま他の分野を試しつつ自分のものにしていくんです。
ここで一般論を挟むんですが、トップウォーターのカテゴリーについて簡単に。
先ず、ポッパーです。
ビギナーにとって一番ハードルの低いトップです。
奥行きは深いですけどね。
『スプラッシャー』や『BKRP140』を僕は使っています。
特にBKRP140は誰にでも使いやすい優等生プラグ。
フィールドもあまり選ばないキャラクターですから、まあ万人向きだと思います。
40g(R3は42g)あるのでロッドをある程度選んでしまいますが。
今まで水面下でしか(それも50cm以上下)食わせたことがない人にはカルチャーショックを与えるプラグですよ。
スズキが水面を割るシーンというのはエキサイティングですし、バイトの勢いを実感し目の当たりにすることで個体(バイトしてくれたかわいい君)との距離感がわかってくるんです。
トップで釣れる気がしないと考える人はだいたい射程の短い釣りしかできないんです。
ボーリングでボールをピンにぶち当てる感覚で魚の反応を探っていることが多いのでは?
狙ったところにボールを投げることばかり腐心しているというか。
だからアクションとシルエットが曖昧でごまかしのきくスモールプラグを使う。
トップはミノー系の潜行深度との差以上にロングディスタンスで魚を誘いますし、できるだけ遠くから、できるだけ早めにターゲットに見つけさせて捕食本能を刺激する強みがあります。
射程の長さを実感できれば、あとは慣れることだけ。
ある程度魚が見えているのなら、BKRP140を一番バッターに起用する価値は十分あります。
コツはね、ダイレクトにピンにぶつけないこと。
ちょっと距離をおいたラインを引くこと。
スローリトリーブは不可ね。
じっくり見せるもんじゃないから。そのへんのリズムは言葉で説明しにくいです。
ちなみに僕はデッドスローリトリーブなんて10年以上やってない。
ダイレクトにピンにぶつける感覚で釣りすると、当たったor外れたしか判断基準がない。距離を置く(長さはねー経験値の積み重ねで信憑性をアップ確立していくしかない)ことで、魚の活性(状態)まで把握できるんです。
射程が長いという特徴のトップを使う意味はこういうとこにもある。
1番バッターが基本ね。サーチベイトとはちょっと意味が違うんですけど。
ターゲットの状態を探ることができるプラグ。
特にポッパーはそんな感じのキャラクターです。
次にペンシル。
ここでねハードルが一気に上がります。
プラグを操作するスキルが必要になるからです、ロッドも選びますしね。
ポッパーは基本ただ引きです。プラグの自発的なアクションがありますからね。
プレゼンテーションをプラグがオートマティックにやってくれる。
一方、ペンシルはマニュアル操作してやらないと魚にアピールしません。
ここに難しさがあるのですが、実は上級者でも、どうアクションさせたら魚が反応するのか良くわかっていなかったりします。
わかるわけがないんです。
じゃあメチャクチャ動かしてやればいいのか?
それも違います。
ペンシルベイト個々のキャラクターを把握してその特徴をデフォルメしてやるように動かしてやればいいんです。ぼくはそれしかないと思っています。
スライド系なのかヒラ打ち系なのか。
ざっくり分けるとその2つ。
スライドに特徴のあるプラグならよりスケーティングの幅が大きくなるように動かしてやる。それが基本。
僕が主に使っているプラグは『BRITT』
ヒラ打ちの得意なプラグならバタンバタンする振り子運動を強調してやる。
フラッシングの強弱を測ることでリズムアップするかどうかを決めれば良い。
僕が主に使っているプラグは『S-CAPER』
で、ペンシルベイトの特徴はポッパーよりも上下の射程が長いということ。
ポッパーは水面近くで上擦っている個体には向いてますが、ミドルレンジの魚を強引に引っ張りだすほどの力はないです。上下の射程は短かい。
ペンシルはポッパーに出せないレンジにステイしている魚にもアピールしてスイッチ入れることがあります。
結構下のレンジから食い上げてくるイメージがありますね。
水深のあるトロい流れの橋の明暗パターンはスズキの活性に係らずレンジにシビアなケースが多いのですがペンシルで上手くアプローチすれば水面を割ってくれる可能性ありますよ。
まあポイントによって使い分けるのですが、
基本的にポッパーはチャラ瀬メイン、ペンシルはトロ場メイン。
その逆パターンは全然ダメなのか?
その辺りの検証を僕は3シーズン前からやってます。
トロ場のポッパーというのはレアケースとしてチャガータイプ(ラッキー13がベストモデルだと思う)は嵌るケースがあることは確認していますが、まあナンセンスかな。
スプラシャーなどに出ることもありますが、それは超高活性な時のみ。
例えば、落ち鮎がロットで回遊してきてスズキが狂っているような。
ただね、ナブラ打ちみたいな単純な釣りでテクニカルな要素ゼロ。
こういうシチュエーションでミノー投げるアングラーもいますけどね。
なんというか恥も外聞もないというか。
チャラ瀬でペンシルは使えるのか?
それこそが僕のメインテーマであり、その検証をするためにフィールドに通っているとも。
十分ね、通用するんですよ。
合理性もあります。それは実証済み。
速い流れの中で使う場合、ダイビングペンシルをチョイスします。
理由は、潜らせた方が良いからという単純なことではありません。
まあ、チャラ瀬やガンガン瀬は水深はそれほどないわけですからレンジを下げる意味はないんです。
集魚要素としてのランダムなダイビングをピックアップしたい。理由はそれ。
速い流れの中ではプラグを見せる時間が極端に短いこと、
それと流速がマイナスに働き、ペンシルのメイン集魚要素であるヒラ打ちやスケーティングのアピールが小さくなりがちなこと、
そんな条件の中でもプラグの存在をキッチリ認識させるために『ダイビング』という集魚要素をプラスするんです。
つまり集魚要素の複合化を図る。
集魚要素の複合化とミニマム化の効果を毎回検証しているのが僕の今シーズンとも。
年々、フィールド状況が悪化の一途を辿るホームグランドで、大振り(フルスイング)の釣りを好むアングラーとして適応していかなければという、寂しい現実もあるんですけどね。
コンパクトに当ててシングルヒットを稼ぐようなセコい釣りするつもりはないので。
最後にペラ付き(プロップベイト)ですが、これは細かい水流の撹拌がアピールするケースで使います。
ポッパーにもペンシルにもない集魚要素であり、瞬間的なアピールの強さ(瞬発力のある)では前2者を時に凌ぎます。
チャラ瀬やガンガン瀬のラフウォーターの中でも引いてやるだけでしっかりアピールする強みが生かせるシチュエーションにシーズン中必ず出くわします。
時折リッピングを交えながらラフウォーターの中をサーフィンさせて使ってます。
マーケットにあるもので嵌るものがないので僕が使っているのはカスタムしたもの。
ペラの抵抗が大きいので河で使う場合引き重りを軽減する工夫は必要ですね。
最後にロッドについて。
8フィート超のスピニングロッド(一般的なシーバスロッド)でトップを自在に操るのは無理ですね。
トップによるテクニカルな釣りを想定していませんから仕方ないのですが、ポッパーならただ引きOKなので大丈夫。
そういう意味でもポッパーは勧めやすい。
ペンシルも使えないこともないですが、かなり大雑把な感じになるのでナブラ打ち専用かな。
僕の今シーズン常用ロッドは5フィート8インチのフェニックスと6フィート8インチのジャンキースティックの2本。(レングスはグリップ込み)
2本ともトップウォーターロッドでそれぞれブライトリバーとフェンウィックのグリップに装着しています。
遠投が必要な時はジャンキーを使い、それ以外はフェニックスという感じ。
気分で使い分けることも多いですが。
6フィート8インチというレングスは僕がシングルハンドキャストできるギリかなという根拠で作りました。
フェニックスはボロンコンポジットブランクです。
2本とも細くて重くてダルくて粘るレギュラーテーパーブランクで独特。
シングルハンドキャストだからということもありますが、ファーストテーパーは使い物になりません。
スローテーパーでもいいのですが僕の好みの問題ですかね。
リールはブライトリバーグリップにアブの4000番クラス、フェンウィックに銀メタを乗せています。
バランスはばっちり。
リールは両方ともそれなりに弄ってますが詳細は省きます。そういうことを書きたかったわけではないので。
共通しているのはブレーキ設定を緩くして(銀メタは遠心レスのノーブレーキ仕様)飛距離を稼いでいること。
華奢なプラグだとバックラッシュする設定ですが、僕が常用するのはどれもそこそこボリュームのあるぶっ飛びプラグばかりですからノープロブレム。
気持ちよく飛ばしてますよ。ショートロッドでもね。
今日は珍しく長めの文章になりました。
長文は避けていたんですけどね。
テーマがトップの釣りだとつい肩に力が入ってしまうもんで。
アイキャッチ画像に使った写真は、13年前のウッドスプラッシャーでの釣果。
当時、特別トップに拘っていたわけではなかったですがスプラッシャーは良く使ってました。
このプラグは良型を沢山連れてきてくれたんですよね。
今では考えられないほどフィールドの状態が良かったこともありますが。
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