雑記

 

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 今秋、一時的にではあったが大型台風直撃の影響でホームリバーの環境が大きく変わった。

気象庁のデータを確認すると10月の降水量は570mmで例年の3倍強と異常値だったのだが、当然フィールドの地形が劇的に変わり魚の行動を左右した。

メインベイトであるアユは大水により放水路経由で一気に流されてしまい、肝心の時期にほとんど川に居なかったから運命共同体のスズキの遡上も期待できないはずだった。

ところがスズキはそこそこ川に入っていた。

釣果を左右する唯一最大要因のように思っていたベイト(アユ)は、案外相対的に重要度は少し低め(ロットの大小に限って)なのかなと今更ながら疑うほどに。

正直、台風直後はシーズン終了だと思っていた。

釣れなくなるだろうなと。

そう思ってしまうほど歴史的な大水だったのだ。

実際にはサイズは望めなかったけどまあまあ釣れた。

意外なエリアに魚が居たりしたし。

そのため新鮮な気持ちで釣りができて充実感はあった。

おかげでノリでシマノロッドを3本も買ってしまったが。

ここ数年は日没後はさっさと帰宅して仕事に戻ったものだが、ついつい現場に長居してあまり好きではないはずのナイトゲームに興じてしまったことも少なくなかった。

ベイトが薄い状況でスズキを探すための試行錯誤も楽しかった。

サイトフィッシィングは難しく、つまり捕食をほとんど確認できないので魚のポジションを特定することが難しい状況での戦術を試す機会になった。結果的に。

ベイトが沢山居て時合が到来してボコボコ捕食していればその付近に単純にプラグを投げて引けば誰でも釣れる。

ベイトが薄い場合は相対的にプラグが目立って注目されるので、つまりプラグを利用して魚を見つけることを考える。

ポイントを俯瞰で見て段取りすることからスタート。 

何も考えずにプラグをキャストしたら偶然釣れてしまうこともあるが、上級者とそうでないアングラーとではそこに投げる根拠が違うので実は同じではない。

レベルの高いアングラーは何気ないキャストにも理由がそれなりにあって、

地形や流れやカバーの位置関係などからなんらかの情報を得た上で着水点を決めているのでバイトがあればそれは単なる偶然とは言い切れない。

そしてプラグの特性を理解していないと的確なサーチベイトを決めることもできない。

僕が今時のシーバスプラグを使わない理由もそこにあって、

「これどうやって使うの?」

使うシチュエーションや戦術が良くわからない。

きっと誰もが使いやすく釣りやすくするために想定しているアプローチがあまりにも単純で、釣れる釣れないに関わらずすぐ飽きてしまいそうだ。

何故そう決めつけるのか?

10年以上前にTKR130Hで経験しているから。

チャラ瀬、ガンガン瀬、反転流のあるトロ場、カバー絡みのピン狙いなど多くのシチュエーションで簡単に釣れる。

プラグの特性を理解してさえいれば特にテクニックは必要なく、流れの中を漂わせるとナチュラルにスライドして勝手に魚を連れてくる。

ビックリするほど釣れたけど直ぐに飽きてしまった。

ホームで問題解決力の高いドラえもんプラグで釣っても大したカタルシスはないことが分かった。

試行錯誤が好きな面倒くさい僕のようなアングラーにはちょっと不親切な使い所をある程度選ぶ(つまり状況を読んで使う類)プラグをドンピシャで嵌めて結果を出す方が楽しめるようだ。

沢山釣りたいとかサイズを狙いたいとか、その手の欲求はもうない。

仕事の合間の貴重な時間を費やすのだから結果よりプロセスを楽しみたいと思うようになって久しい。

的外れなことをやっているわけではないので結果が出ないわけではないしね。

魚探しはポイント選びから始まるが今秋は期待値の根拠を実績より地形変化の影響に置いたことが良かった。

近年無視していたエリアの状況が大水により劇的に変わっていたことでフィーディングエリアのズレが顕著だったからだ。

大釣りできるようなポイントは流石に無くて時間は多少かかるがじっくり探ることで見つかる一匹の価値は高く、まさにプロセスを楽しませてくれるものだった。

セルフでアップデートされた情報のないポイントではクラシックミノーが頼りになることがわかりブルーオーシャンを多用。

フィールドに合わせて多少のカスタムをしているがブリブリ泳ぐウォブラーの強みを生かす状況は確実にある。

魚力の質の違いを理解できている前提だがブルーオーシャンの性能は今時シーバスプラグに決して引けを取らないと思う。

ただやはりオープンウォーターに活躍の場が限定されるけどね。

流芯の中で食ってくることがほとんどなので、反転流がらみなどの複雑な流れでは強みを発揮しない。

アップキャストしプラグが流されてくることによる流芯の中でのテンション変化を最大限利用しU字ターンをハイライトに持ってくるよう演出すれば良い。

流れの釣りの基本だが、リップレスを多用しているとダウンでスライドさせて食わせる癖がつきがちなので矯正目的でもブルーオーシャンは使えると思う。

河ではダウンの釣りの癖が付くと筋が悪くなる一方だよ。 

今時シーバスプラグはそれでも釣れてしまうから厄介なんだ。

 

YouTubeに無数にアップロードされている釣り動画だがメーカーのプロモーションの匂いがする動画は楽しめないので見ない。

例外はシマノで、製品をガチに売り込んでこないから興醒めしなくて済む。

メガメーカーの製品はユーチューバーが勝手に動画でプロモーションしてくれるので必要ないのかもしれない。

それと村田基のように長期間に渡ってメディアに露出してアイコン化してしまうと妙な説得力が出て単に海外釣行動画でシマノのタックルを使っている画があればそれで良いのだろう。

ある意味凄いプロモーションではある。

 

シマノのロッドを立て続けに買ったのは、プロモーション云々によるものではなく長年に渡る継続的なロッド開発を経ての最新の技術でできたものが汎用性を含めて納得できるものだったから。

メーカーを信用してスペックだけで選んでも失敗しなかったわけだから。

バーサタイルなロッドがなぜ良いかというと、要はアングラーの要求に守備範囲広く応えてくれるからである。

14gのジャークベイトと35gのペンシルベイトを同じロッドで使いこなすことは案外難しい。

出来ないことはないが…では使い込むんでいるとストレスを感じ始めるものだ。

100点満点のアプローチを求めるならパワーバンドの狭い専用品を使うのが良いだろうがボートのバス釣りじゃあるまいし現実的ではない。

80点でいろいろ出来るロッドが僕の求めるものだ。

ただオープンウォーターで無理なく飛ばすこととジャングルのようなヘビーカバーエリアでのピンポイントキャストを1本のロッドで実現するのは流石に無理があるので、最低2本はどうしても必要になる。

大は小を兼ねない。

小はスキル次第で大を兼ねるけどね。

デメリットはあるが決して致命的ではなくメリットがそれを打ち消してしまうショートロッドの汎用性に関しては気が向いた時に別途書く。