日本時間日曜日の19時30分キックオフというまるで東アジアマーケットに忖度したかのような(コモのオーナーがインドネシアの富豪だからか?)マッチスケジュールだったコモ-ユーベ。
しかしこの試合を観て新たにユーベのファンになった東洋人は一人も居なかっただろう。
退屈な退屈なそして退屈な約100分間だった。
試合開始早々にイージーゴールをプレゼントし、その後も前から仕掛けてくるコモに試合を支配され続け、チャンスらしいチャンスを作れず時間が過ぎていく。
どうしたら良いかわからんという表情のトゥドールの顔が何度もカメラに抜かれ、惨めさに拍車がかかる。
彼がやったのはタッチラインを割ったボールをスローインするプレーヤーに投げ渡すことだけだった。
コモのプレーヤーはボールを奪われた後の戻りが早く、かと言って即時奪回を試みるわけではなくゴール前に人数かためてシュートコースを消すという単純な戦術を取っていただけだが、ユーベには効果的だった。
高校生の部活レベルの戦術を取る相手になす術なしのトホホチームに成り下がっていたからだ。
スタンドには代表監督のガットゥーゾやベンゲルやアンリなど錚々たる顔ぶれがあったが、きっとコモ観光ついでに噂のニコ・パスを見に来たのだろう。
ユーベの決定機ってあったか?
思い出せない。
前から来るコモに終始圧倒されていた印象しかない。
ユーベのオフェンスのキーは2シャドーのユルディスとチコだが、二人がサイドでボールを持った際には2〜3人でドリブルのコースを消しつつスピードダウンさせてボールロストを誘うという対応策マニュアルができており、コモはそれを完璧に履行していた。
そして2シャドーのどちらかがボールを持つとユーベの周りのプレーヤーは動きを止めてしまうためボールを失った後のリアクションが一歩遅れる。
チコはボールを失った後は大袈裟にファールをアピールするだけでディフェンスに戻らないので裏側が穴になっていてそこを突かれていた。
ドリブルで仕掛けられるチコとケナンに頼ったオフェンスなのでそこが封じられると打つ手がほぼなくなってしまう。
セットプレーが強いわけでもない。
単調なオフェンスに終始するから試合ぶりが退屈なのだ。
それでも守りが硬ければまだマシだが、ディフェンダー陣が脆弱だから始末におえない。
戦術的に行き詰っているのは確かであり、上昇の兆しは見えない。
大きなプラス要素であるコープマイネルスの復活に期待するのは無駄かもしれない。
ある程度プレータイムを与えられたが、彼は何も証明できなかった。
昨シーズンよりも酷いくらいなのだからそういうことだろう。
新加入プレーヤーの存在感も希薄で、チーム力の底上げに全く貢献していない。
残念ながらトゥドール政権も短命で終わりそうな気配が漂い始めている。
ミッドウィークにマドリッドでのCL戦が控えているが、リーグ首位を快走する、そしてエムバペが得点を量産しているレアル相手に一応名門のユベントスが意地を見せられるのか、それとも虐殺されてスゴスゴとトリノに帰ってくるのか。
後者の結果になると、いよいよトゥドールへの信頼感が音を立てて崩れてしまうだろう。
まあとにかくディフェンス頑張れ。
期待を込めて1-1と予想しておく。
レアルの前線はリベチなスピードスターなので今のユーベの3センターでは多分じゃなく絶対抑えられないので5バック気味で良いかも。
スピードのあるオペンダをワントップにしてコープマイネルスは外してロカテッリの相棒にマッケニーをチョイス。
守備力に難のあるチコは先発ではなく70分過ぎからの交代要因にし、ジョナサンを2列目に置いてオペンダとケナンに絡ませる。
もし先制されて追う展開になったら早めにブラホビッチを投入して欲しい。
スコアレスで前半を終える状況なら後半開始早々からでも良い。
なんだかんだ一番得点を期待できるのは彼なのだから。

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